霧が丘にある福祉作業所の利用者と地域住民との舞台制作を記録する映画を撮った 宮沢 あけみさん 新治町在住
「立ち会えた幸せ」噛みしめ
○…霧が丘にある福祉作業所「ぷかぷか」に通う障害者と地域住民が歌劇の公演に挑んだワークショップをカメラで記録し続けた。きっかけは同作業所代表の「撮ってみたら」の一言だった。フリースクールや障害者などを題材に脚本家や映像作家としてこれまでにも様々なアプローチを試みてきたため、こうした機会がどれだけ貴重かは身に染みて感じていた。「これは出会いだ」。感謝を込めてカメラを回し始めた。
○…長野県佐久市出身。信州大学を卒業し、高校教師、ラジオレポーターなどを経て上京。「私の事を誰も知らない世界で、もういちど世の中を見つめてみたいと思った」。振り返れば、学生時代からいつも心のどこかに「表現」や「発信」の術を探す自分がいた。映画やテレビドラマの助監督として様々な現場を経験。連続ドラマを制作していた時にカメラマンとして今も活躍する夫と出会い結婚した。脚本を一から学び直し、コンクールなどに出品する日々の中、長女「そらちゃん」を授かった。
○…「そらちゃん」は620gの超低体重児として生まれてきた。40歳を超えての出産には様々なドラマがあった。この経験を題材に著作「ミラクルBaby〜620gのそらが教えてくれること」を出版。「620gで生まれても、元気に生きる子どもがいることをちゃんと知ってもらいたい」。同じような境遇にいる人や、世の中のすべての人に向け、渾身の筆を振るった。
○…「ぷかぷか」の記録映画を撮って、多くの「幸せの瞬間」に立ち会うことができた。「彼らの表現力や存在感に圧倒され、感動が込上げる瞬間が多くあった」。この瞬間、障害という概念は無くなり、人と人が芯で向き合う場面が生まれた。監督としてその瞬間を捉えられた事、それ以上に「人としてその場に立ち会えた事が幸せ」。大きな収穫を胸に、次なる表現を模索する。
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