東日本大震災の発生からまもなく8年となる。
横浜創英大学(三保町1)で講師を務める平野友康さんは、当時、横須賀市社会福祉協議会で勤務していた。震災発生から2カ月後の2011年の5月に岩手県釜石市へと派遣された。震災後に釜石市を訪れるボランティアが安全に活動できるかを調査するためだった。
調査のために市内を回る日々が続いた。津波で何もなくなってしまった地域。また、がれきだらけの場所も多くあったという。そこで見つけたのは、保育園の園児が使っていたであろう連絡帳。「連絡帳を見つけた時に“子どもが保育園に通い、親が子どもの成長を願う当たり前の日常”が頭に浮かんだ。2カ月前までこの場所にも日常があった。でも、目の前に広がっているのは、がれきの山。その差に愕然となった」と当時を振り返った。
「1人でも多くの人に自分が見た光景を伝えたい」。そんな思いから東日本大震災のボランティア経験などを伝える講演も行う平野さん。また、昨年の夏、自身の受け持つゼミナールの学生らと宮城県石巻市などを訪問した。「これから神奈川県でも大きな災害が起きるかもしれない。災害が起きた際に自分たちの街で何ができるのか、若いゼミ生にも実際の声を聞くことで、人を支えることの大切さを学んで欲しかった」
石巻市では、地元の人に当時の様子を聞きながら、市内各地を巡ったという。「一緒に巡った人も大津波で家を流されていた。それでも、私たちに当時のことを教えてくれた。地元の人の『知ってほしい』という思いの強さを感じた」と平野さん。同市訪問後、「困っている人の力になりたい」とボランティア活動に一歩踏み出した学生もいるという。「学生はたくさんのことを感じたようだ。人を支える支援の輪が各地に広がってほしい」
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