横浜市はこのほど、令和2年度中に児童生徒に1人1台端末を貸与するなどの「横浜市におけるGIGAスクール構想の方向性」を策定した。市教委の担当者は「端末の活用方法やクラウドサービスを検討し、9月を目途に正式な構想を発表する」としている。
横浜市は、2018年から「第3期横浜市教育振興基本計画」に基づき、ICT(情報通信技術)の整備を計画的に進めてきた。
国が進めるGIGAスクール構想は、義務教育を受ける児童生徒に1人1台の学習用端末と高速ネットワークなどを整備する計画。昨年12月に国から同構想実現に向けた補正予算が示され、2023年度までに段階的に端末を導入する方針だった。しかし、災害や感染症の発生などによる学校の臨時休校などにおいて、ICTの活用により全ての児童生徒の学びを保障できる環境を早期実現するため、今年度中の整備を進める。
全教職員にも貸与
端末は市立学校(小中、特別支援学校小中学部)に在籍する全児童生徒のほか、全教職員にも貸与。補正予算では端末1台あたり4万5千円と、校内LAN整備費の約半額が補助される。端末機種は小学校にカメラ機能が充実し操作しやすいiPad、中学校には起動が速いChrome bookを選定した。学校での使用や保管を基本とし、デジタル教材の活用など「学びの改革」に加え「学校家庭間の連絡調整」などに活用する構想だ。現在はクラウドサービスの検討、個人情報保護などルールづくりが検討されている。
5年ほど前から中学生にiPadを貸与している桐蔭学園(青葉区)の林謙介ICT教育推進センター長は「これまでの経験もあり、臨時休校中のオンライン授業も特別なものではなく対応できた」と話す。また、鴨居中学校の齋藤浩司校長は「コロナの影響で学校が臨時休校になり、保護者のICTの意識も高まっている。早期の導入はありがたい」と語った。
市の担当者は「横浜としての在り方について検討を重ね、9月を目途に正式に構想を発表する」と話している。
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