緑区内の市立中学校6校で11日から、コロナ禍で日本酒の供給量が減少し行き場のなくなった酒米を抱える酒蔵や農家への支援を目的に、学校給食で酒米を提供した。学校では食品ロスの削減や地産地消の取り組みの理解を生徒に深めてもらうことが狙いだ。
食品ロス削減の貢献や食育推進を目指したこの取り組みは、県内で学校給食や弁当の製造などを手掛けている(株)安田物産(大和市)が行ったもの。同社は、取引先である酒蔵の泉橋酒造(株)(海老名市)でコロナ禍の外食需要減のため日本酒の供給量が激減し、海老名市で収穫された原料米約15トンが在庫として残ってしまっているという現状を知った。消費方法について相談を受けた同社は市教育委員会に、酒米のために育てられた米(コシヒカリ)を食用に精米し白米として提供することを相談。その結果、給食を提供している区内6校(東鴨居中・鴨居中・十日市場中・田奈中・中山中・霧が丘学園中学部)のほか、南区の市立中学校で、食育推進を図ることを目的として給食で酒米を提供することが決まった。
意識付けのきっかけに
全校生徒465人の内約2割が給食を注文しているという東鴨居中学校の和気昭彦校長は、「生徒の目につくよう廊下などにぱくぱくだよりを掲示するなど食育の推進に力を入れている。今回の取り組みが生徒の意識付けのきっかけになればと思う」と話した。
また、同校の及川遼樹さんは「もちもちした食感で美味しく感じた。コロナの影響で行き場をなくしていた米が再利用されることで食品ロスの削減につながるので、とても良いことだと思う」と話した。
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