県内で唯一の「穴窯」を持つ白山高校で、10月24日から26日の間、作品を焼き上げるための穴窯焼成が行われた=写真。
穴窯とは5世紀頃に朝鮮半島から伝わった日本最古の様式窯で、焼成には約70時間を要する。1988年から陶芸教育に力を入れている同校は、93年に初代の穴窯を築窯。現在の穴窯は2001年に築かれた2代目で、17年度には美術科が設置されている。
焼成は年に2回行われており、作品は美術科の2年生・3年生が授業で手掛けたものに加え、普通科で陶芸の授業を選択した生徒のものや、美術部の陶芸班や教諭らも作陶。62回目の焼成となった今回は、細かいものも含め、400点以上が窯詰めされた。
焼成作業は初日の24日に窯内の温度を655度まで上げて水蒸気を抜いた後、徐々に温度を上げ、950度の時点で還元焼成。さらに昼夜絶え間なく薪をくべて約1300度まで温度を上昇させて焼き上げた。
卒業生が支え
夜通し薪をくべ続ける焼成作業において、大きな役割を担っているのが同校の卒業生だ。昼は美術科の生徒らが参加できるが、夜間の作業は卒業生が行う。今年も10人以上の卒業生が同校を訪れ、4〜5人でチームを組み、シフト制で寝ずの番を行った。同校の竹田一宏教諭は「卒業後も学校に来て手伝ってくれることに感謝。穴窯はみんなで協働して作品を作り上げ、みんなで喜び合える最高の教材だと思う」と笑顔で話していた。
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