港北区待機児童数 前年比で82人減少 園新設などが奏功か
横浜市は先ごろ、2011年10月1日現在の保育所待機児童(※1)数を発表した。前年同期と比べて市全体で1030人マイナスの1463人、港北区では82人減の209人となり、市の対策が奏功しているようだ。
昨年度まで市内最多の待機児童数を記録していた港北区。特に、林文子市長の就任以降に取られた重点的な対策が減少に貢献し、今回の発表でもその流れを受ける形となった。
その要因として区は、▼今春に新設した認可保育所3園計246人の枠増設▼認可保育所以外の保育サービスの紹介にきめ細かく対応する「保育コンシェルジュ」を6月に配置したこと――などの成果があったとしている。
また、市が受入枠増加のために講じてきた既存保育所の定員拡大を、区内ほとんどの園で実施。加えて、来春には新たに認可保育所6園の新設や、既存園での増築、分園化などで480人以上の受入枠増が予定されている。これまで特に待機児童の多かった日吉エリアには新しく3園が予定されており、解消への期待が高まっている。また、横浜保育室(※2)も今春新たに綱島西と大豆戸町の2施設が認定される予定だ。
選択肢の更なる充実を
しかし今年10月の港北区の待機児童数は、今年4月(101人)との比較では108人増加している。
例年、この傾向は見られるが、その要因は年度途中の入所申込の増加にある。出産や就労などの事情で、急きょ子どもを保育所に預ける必要が出てきた場合がこのケースにあたる。また、転入が多い港北区の特性も一因と考えられる。区では、年度途中に入所を希望する家庭に対しては、認可外保育所や一時預かりなどの案内で対処している。
大曽根に住む30代男性は、妻の第二子出産に際し、今年5月に2歳の子どもを預けるための認可保育所を探した。しかし、年度途中のため、近くの認可保育所に空きはなく、少し離れた大豆戸町の認可外保育所の残り枠に何とか滑り込んだ。「何園も問い合わせてみたが、なかなか空いていなかった。年度の途中でなおさら難しかった」と男性は話す。
すでに市では、それぞれのニーズに合うよう多様な保育サービスを整備しているが、さらなる充実と周知が求められているようだ。
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