日スタグリーンキーパー 「芝生は自分の子ども」 市と連携し、管理指導も
日産スタジアムのフィールドに立つサッカー選手などが思う存分プレーできるよう、芝生の維持管理をする人たちがいる。それが「グリーンキーパー」。良好な状態を保たせるため、高度な技術が求められる職種だ。横浜市と協力し、小中学校校庭などの芝生の手入れ方法も指導しており、”縁の下の力持ち”としての活動が続いている。
日産スタジアムのグリーンキーパーは、柴田智之さんと山口義彦さん。ともに(公財)横浜市体育協会の職員だ。2人は東京農業大学の同級生であり、卒業後はゴルフ場のグリーンキーパーとして経験を積んできたことなど共通項を多く持つ。2002年の日韓ワールドカップなどに合わせて設立された横浜国際総合競技場(1998年設置/現・日産スタジアム)の芝生管理を担うため、柴田さん、山口さんの順番で現職に就任している。整備が進んでいる新横浜公園の芝生管理も職務の1つだ。
柴田さんは芝生を自分の子どもに例える。「愛情をかければそれだけ良く育つ。生きているんです」。気象条件などにより、色、硬さと刻々と変わる生育状態を常に観察しながら散水や肥料まきなどに全神経を集中している。
サッカー・Jリーグの開幕戦に合わせての管理を基本としており、寒暖に耐え一年間使える芝生にすることが最大の目的だ。
「みどりアップ」に協力
横浜市が進める「みどりアップ計画」の市立小中学校校庭や民間幼稚園などの園庭芝生化推進にも市からの要請により協力。2011年度には学校の管理者に対しての講習会、12年度には小中学校10校、幼稚園・保育園10園を訪問し、指導もしている。市環境創造局みどりアップ推進課は、グリーンキーパーと連携した取組みを評価され、先月末表彰式があった、今年度の市職員技術提案表彰で奨励賞を受賞した。
柴田さんは「学校の先生たちにも『芝生は生き物で、好きになることが大切。管理と利用のバランスを』と呼びかけています。私たちはプロとして利用者に常に満足してもらえる芝生を提供していきたい。毎日が勉強です」と話す。
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