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港北区 人物風土記

公開日:2015.03.19

「働きがいのある会社」ランキングで1位となった、新横浜のIT企業副社長を務める
新免(しんめん)玲子さん
篠原北在住

「ファーストペンギンたれ」

 ○…会社や従業員への経営調査を行う「Great Place to Work」が毎年発表する「働きがいのある会社」ランキングで、従業員25〜99人の部門1位に輝いた、新横浜にあるアクロクエストテクノロジー(株)。システム開発やコンサルティングサービスを手掛けるIT企業の副社長として、働きやすい環境づくりに尽力する。「今まで取り組んできたことが間違ってなかったと証明することができた」と笑顔を見せる。

 〇…代表取締役である夫が1991年に起業。夫婦ともに別々の前職で味わった、「会社を良くしようと思って主張したことが通らない」苦い経験から、「社員の意見を大切にする会社にしたい」と思い、設立。取締役から若手まで全社員が参加する「全体会議」がその象徴だ。「給与や制度も全社員で決めています。全員の総意で動く会社でありたい」と話す。未婚社員に毎月支給される「婚活サポート金」や、誕生日の社員に全社員が花を贈る「花一輪」など、自ら考案した制度も多い。発想の原動力は感謝だ。「大企業を断って、うちに働いてくれる社員に恩返しをしていきたい」

 〇…九州出身で横浜に旅行したとき、突然降ってきた雨に「傘に入れてください」と飛び込んだ先が夫だった。「上京時に引っ越しの手伝いをしてもらおうと再度連絡。『強引に手伝わされた』と今でも夫に言われます」と笑う。ずっと仕事に没頭し、子ども2人のための時間をあまり取れなかったことを後悔する。「社員には子どもの行事には必ず出なさいと言ってます」

 〇…正しいと思ったことは結果を気にするより、まずはやってみる。「ペンギンの群れは、危険かもしれない海を前にすると怖気づきます。その中で勇気を持って最初に飛び込む『ファーストペンギン』の精神が経営には必要」と力を込める。全社員で大海原に飛び込むチャレンジ精神。そこに多くの従業員が「働きがい」を見出しているようだ。

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