横浜市は新年度予算で、既存の地域子育て支援拠点機能を補完する「拠点サテライト(仮称)」を、市内で初めて港北区に設置することを明らかにした。関係機関が現在、開設場所の選定に入っており、夏頃までに確定させ、来春の開設を予定している。
今回市が整備する「拠点サテライト」は、0から2歳までの乳幼児人口が多い区(2014年4月1日時点)に開設していくもので、最多の港北からスタートし、鶴見、青葉、戸塚、都筑の5区に5年間をかけて順次設置する計画だ。15年度予算額は、設備改修費などに2800万円計上されている。
未就学児と保護者、子育て支援活動に取り組む人たちへのサポートを行う「地域子育て支援拠点」を補完する役割を担うことになり、サテライトでは、保護者と児童が遊び、交流ができる場の提供、不安や悩みの相談、情報収集や提供などに取り組んでいくという。
設置場所は既存の子育て支援拠点とは別エリア。区内で既存の子育て支援拠点「どろっぷ」を運営するNPO法人びーのびーのが担当することになる。
現在は、こども青少年局と港北区、びーのびーので開設場所の選定をしている。同局子育て支援課では「この新事業は在宅子育て支援を目指している。人口が30万人を超える港北区に拠点が1カ所では少なすぎる」とし、「3者で『どろっぷ』がある大倉山とは別地域での整備場所を探している。マンションやテナントの1階部分など、ベビーカーでの利用がしやすい場所などが検討される」と話す。
孤立化を防ぐ
「どろっぷ」(大倉山3の57の3)は、市内初の子育て支援拠点として2006年3月に開設された。当初から需要は高く、年間の平均利用者数は3万5000人(保護者ら含む・延べ)。どろっぷ作成の最新データによると、13年4月1日から14年3月31日まで施設を利用した子ども16915人うち、0歳児が5190人、1歳児が5053人、2歳児が3085人で、乳幼児のみで約8割を占めており、この年齢層の支援充実が改めて求められていることが分かる。また、0から2歳児の施設登録者を連合町内会別で見てみると、大倉山、大曽根、師岡と施設が近隣にあるエリアほど割合が高く、距離がある城郷、高田などは低い。こうしたことからもサテライトの整備理由・場所がうかがえる。
どろっぷの原美紀施設長は「乳幼児を育てる保護者は必要以上に責任感を持ってしまう傾向がある。私たちはまず、話を丁寧に聞き、孤立させないようにしていく。サテライトでは市、区と連携を深めながら『どろっぷ』に来られなかった人たちを含めサポートしていく方針」と語る。
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