菊名保育園(片岡金子園長、1974年開園)の園歌が、区内に市立保育園が5つある中初めて誕生した。保護者の呼びかけで実現したもので、今春の卒園式で既に披露されている。
歌詞も手づくり
小学校から大学まで校歌があるが、幼稚園や保育園にはそれに相当する歌が存在しないのはなぜだろう――。自身の子ども・杏凜(あんり)ちゃんを同園に預けていた関谷聡さんが疑問に感じ昨年6月、園に相談をしたという。「娘の卒園を控えていて、何か恩返しがしたいという思いでした」と関谷さん。その思いに前・野村昭子園長が賛同し「菊名保育園園歌プロジェクト」がスタートした。
高校に入ってから作曲活動を始めた関谷さんは、約2週間で3つの原曲を用意。そのうちの1曲を園で選定し、子どもたちが歌いやすいようなメロディーやリズムに修正していく作業を重ねた。歌詞は昨年在籍していた86人の園児と保護者、職員で考えたという。出し合った案の中には、園庭の「さくら」や眼下に望める「富士山」、飼育している「かめきち」などの言葉が多く寄せられた。それらの言葉を精査し、園目標の中から「元気」「のびのび」などを加えて歌詞をまとめていった。
完成したのは2月の上旬。そこから練習を重ね、3月の卒園式では19人の園児が元気に歌い上げた。
現在は、保護者参加のクラス懇談会での合唱で随時披露しているほか、こどもの日には隣接する老人福祉センターでも発表した。
片岡園長は「子どもたちは、メロディーが頭に残り歌いやすいようです」と笑顔。また、関谷さんは「今後さまざまな場面で歌い続けてもらいたい。それが私の願い」と話す。
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