横浜市内の3病院で11月27日、近くを走るタクシーを手軽に呼ぶことができる専用端末「MOV CALL」(モブコール)の実証実験が始まった。株式会社ディー・エヌ・エー(本社・渋谷区)による試みで、横浜市の協力・調整により実現した。来年3月末までの間、実際のニーズや利用状況を検証する。
横浜市内で端末が設置されたのは駅から距離のある横浜市立市民病院(保土ケ谷区)、横浜市立脳卒中・神経脊椎センター(磯子区)、済生会横浜市東部病院(鶴見区)。病院で実証実験が行われるのは、高齢者や車いす利用者の端末利用を想定しているため。
公共施設などでは従来、タクシー会社の連絡先一覧から利用者がタクシー会社を選んで電話をかける必要があり、調整がつかない場合には他社にかけ直さなければならない煩わしさもあった。
同端末はタッチパネルでタクシーを呼ぶことができ、待ち時間の目安をリアルタイムで表示。「モブコールを使えばタクシー会社を問わず『近くを走る』空車タクシーを呼ぶことができる」と同社担当者。実証実験にはタクシー会社55社、約3500台が参加予定。端末は迎車料金と通常の運賃のみで利用できる。
また車いす利用者にも乗車しやすい「UDタクシー」を指定して配車することもでき、東部病院の担当者は「夜間などタクシー乗り場に1台も待機していないタイミングがある。車いす対応の車両を確実に指定して呼べるのも従来からすれば大きい」と話す(UDタクシーの配車には別途指定料金が必要)。
高齢者の利便性向上に
モブコールは同社のスマートフォン向けタクシー配車アプリ「MOV」(モブ)の仕組みを活用したもの。モブは同種のアプリでは県内一のシェアを誇るという。
一方で、アプリ版のモブはスマホと会員登録が必須で、「高齢者層などアプリになじみの薄い方にも、タクシー利用の利便性を向上することが端末の目的の一つ。使いやすさに配慮したが、実際に運用する中で利用者の反応を見たい」と同社担当者。市経済局の担当者も「広い意味で市民の『足』に関わり、今後の交通課題にも向き合うもの」と期待を込める。
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