各地で感染が報告される新型コロナウイルス。臨時休校やイベントの中止、外出自粛など、港北区内でもその影響は広がっている。一方、日吉の個人飲食店がクラウドファンディングを始動するなど、この苦境を乗り越えようとする動きも生まれている。
個人飲食店が団結
不要不急の外出を控える傾向により、多くの飲食店では客足が減少している。日吉のハンバーガーショップ「MADE IN HANDS」もその一つ。「特に個人経営の店は打撃が大きい」と代表の阿部和彦さん。2月にそんな先行きの見えない不安をSNSに投稿すると、全国の同業者から共感の声が寄せられた。「リーマンショックや東日本大震災を経験した老舗店ですら、かつてない被害と言っており事態の大きさを再確認した」という。
「一緒にこの困難を乗り越えるアクションを起こしたい」と始めたのがクラウドファンディング。前職は経営コンサルタントという異色の経歴を持つ阿部さんならではのアイデアだ。”おいしい、はコロナに負けない。”をスローガンに、個人飲食店と客が支え合うシステムを構築。具体的には、廃棄になりそうな食材や余裕のできた時間で作った新メニューなど、各店が魅力を発信し、支援を募る。支援者には出資金に応じ、コロナ終息後に参加店で使えるチケット(金券)が配布されるという仕組みだ。
プロジェクトは、3月12日にスタート。4月末までに500万円を第一目標に掲げる。また、現在の参加店は約40店だが「ゆくゆくは200店ぐらいに広めたい。全国各地のお店で、料理を食べながら『あの時は大変だったな』と笑って振り返れる日が早く来てほしい」と阿部さん。活動は始まったばかりだが、「こうやって個人飲食店同士の繋がりができたのはありがいこと。地域ごとに共同のイベントなどができるようなきっかけにもなったのでは」と笑顔を見せた。
多方面に影響
そのほか、区内のある居酒屋では、昼間のお弁当販売を開始。通常は夜の営業のみだったが、新たなサービスを始め、状況の打開を図っている。
臨時休校により、学校や家庭にも影響は及んでいる。小学校では、家庭での対応が困難な児童の緊急受け入れを実施。ある学校では、受け入れ時も児童同士の座席の間隔を空けるなどして、感染防止に努めている。またPTAが主体となり、保護者らの参加が不可能となった卒業式をライブ配信するといった取組みもみられる。
大型施設等にも、その影響は広がっている。横浜アリーナでは、4月に開催予定だった「令和二年春巡業 大相撲横浜アリーナ場所」の延期をはじめ、イベントの中止、延期が相次いてでいる。またテナントのスポーツクラブ利用者の中から罹患者が発生したトレッサ横浜では、館内清掃・消毒・従業員の健康管理強化のため、一時臨時休業とした。
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