横浜から世界へ――。港北区在住のジュニアカートドライバーの村田悠磨さん(15)は横浜出身初のF1ドライバーを目指し活動している。父・竜一さんとのコンビで、4月からは成人のプロも参戦するレースに出場。年初には、横浜市スポーツ協会からの支援も始まり、夢舞台への第一歩を踏み出した。
出合いは小1
カートとの出合いは、小学1年生の頃。車好きだった竜一さんの影響で秦野のサーキット場に行くと、「最初はスピードに怖さもあったが、次第に仲間と競うのが楽しくなった」と没頭していった。約1年後には、周囲の誘いでレースに出場。いきなり優勝を果たすなど、当時から才能の片鱗を覗かせていた。その後も、カテゴリーを上げながら鈴鹿をはじめ全国各地を転戦。「練習量は誰にも負けない」と磨いたブレーキングを強みに、国内トップクラスのドライバーに成長した。
運転技術はもちろん、結果を左右する重要な要素がマシンのセッティング。メカニックとしてそれをサポートするのが竜一さんの役割だ。路面やコースに合わせた空気圧やギアのセットが求められ、プロが務めるケースがほとんど。そんな周囲に負けないように竜一さんも日々マシンの勉強を続けている。しかし、レース中は「勝てなくてもいい。とにかく無事に帰ってきて」との思いも。「本当はメカニックに専念しなきゃいけないけど、やっぱり半分は父親になってしまうね」と竜一さん。憧れは、F1ドライバーのルイス・ハミルトン選手。試合には常に父が帯同する世界的スターの姿に重ね、「親子で世界に挑戦できる日を夢見ている」。
横浜から世界へ
順調に成績を上げる一方で、大きくなる大会の規模に、一家庭だけではサポートしきれない面も出てきた。そこで、横浜市スポーツ協会に支援を打診。補助金の条件は満たせなかったというが、竜一さんからの熱い手紙にほだされた同協会スポーツ事業部の秋田浩平課長が「何か手伝えることはないか」と奔走し、今回の連携につながった。これにより、同協会は【1】活動報告等の広報支援【2】フィジカルトレーニングへの技術協力――を提供する。また、レースで着用するスーツに同協会のロゴが入ることも決まった。「生まれも育ちも横浜。地元を背負って戦えるのは嬉しい」と悠磨さん。秋田課長も「大きな可能性を持った若者の挑戦にワクワクしている」と笑顔を見せる。
憧れの背中を追って
今後は4月からのツアーで、フォーミュラーへの出場権獲得を目指す。その先に見据えるのが夢のF1。目標の選手は、今季からF1に参戦する、同じ神奈川県出身の角田裕毅選手。実は過去に一度、チーム戦の耐久レースで対戦した経験があり、悠磨さんのチームが勝利したという。「世界で戦う姿は勇気をもらえた。もう一度同じ舞台に立てるように、頑張りたい」と悠磨さん。もちろん、その時隣にいるのは竜一さん。「今はたくさん助けてもらっているが、成長して自分がお父さんをF1に連れて行きたい」とアクセル全開で夢に挑戦する。
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