ワルシャワ吹奏楽指揮者コンクールで優勝した 甘粕 宏和さん 新横浜在住 46歳
人との出会いが自分つくる
○…昨年12月、コンクール初参加で栄光をつかんだ。「結果発表がポーランド語だったので、その瞬間はよくわからなかったよ」と持ち前の茶目っ気を覗かせる。周囲の人たちもとても喜んでおり、「音楽に育ててもらったという意識がある。恩返ししていきたい」と語る。
○…千葉県で生まれ育ち、陸上や器械体操など、体を動かすのが大好きだったが、都内に転校すると友人に影響されて受験し、中高一貫校に入学。そこで出会ったのが吹奏楽だった。決して強豪校ではなかったが、当時は本気で全国大会を目指したという。今も師事する神奈川大学吹奏楽部音楽監督の小澤俊朗氏が「時々やってきては魔法使いのように、バンドの音楽を変える」体験をしたのもその頃だった。「先生にはお茶の出し方から、人としての基本を学んだ」。附属校からそのまま内部進学した大学は、新たな刺激を求めて2年で離れた。
○…大学を辞めた年、参加したフルート奏者サマーキャンプで運命の出会いが。「フルートを習いたい先生が東京音大で教えてるから」と音大受験を決め、半年の準備で合格した。卒業後は、恩師から依頼され、北海道から九州まで、指導者・指揮者として駆け回った。口コミで仕事も増え、今では1日3回飛行機に乗る日も。「滞在時間より移動が長い時もあるが、子どもたちに会うとすべて吹き飛んでしまう」と笑う。
○…気の置けない友人たちと音楽を奏でたり、言葉を交わすのが何よりのリフレッシュ。また、市民楽団の音楽監督も大切なライフワークだ。今までの人生で重要な選択は「すべて人からの勧めがきっかけ」。「人との出会いをこれからも大切にしていきたい」と言葉を続け、目を輝かせた。
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