小机城のあるまちを愛する会(以下城まち会)とよこはま縁むすび講中実行委員会は1月22日、港北公会堂でアニメ『小机の重政』の完成記念イベントを実施した。アニメは地域演劇集団スターリンクスのオリジナルボイスドラマに、神奈川工業高校の生徒が絵の制作を手掛けたもの。小机城の歴史を巡る、完成したばかりの作品が地域に披露された。
物語は、小机城の4代目城代・笠原重政を題材に、現代の高校生3人が戦国時代にタイムスリップする約30分のストーリー。元々は区内を中心に活動する、松井寿徳さん主宰の同劇団が「地域でも知られていない小机城の殿様を知ってもらおう」と一昨年に制作したボイスドラマ作品だ。
活動の輪、広がり発展
他方、小机城やまちの魅力を知ってもらおうとガイドツアーやチャンバラ合戦などの取組みを行ってきた、城まち会。劇団の松井さんが「ドラマを広め、絵を付けて子どもたちにも分かりやすくなれば」と、同会に声を掛けたところ、メンバーの川上あき子さんや小机小学校の児童たちが音声に合わせて絵を描くなど次第に発展していった。さらにその上演を神奈川工業高の教諭が見ていたのが縁となり、同校デザイン科の生徒がアニメ制作に挑戦することになったという。
初挑戦の渾身作
普段は学校でデザインを学び、アニメは初の経験だったという生徒たち。制作にあたり、小机城址の見学や城まち会の木村光義会長への取材、情報収集も行った。
授業の一環にもなっており、昨年度卒業生の作業を引き継ぎ、昨年4月から3年生10人を中心に絵コンテ、下書き、ペン入れ、着彩、背景などを進め、150枚を完成。松本実桜さんと若松由依さんは「戦闘シーンに力を入れ、一気に画面を動かした」「甲冑や服装などを調べたほか、分かりやすいよう図解を入れた」と工夫を語る。
生徒は上映会前日まで作業を続けたといい、監督を務めた田中琴葉さんは「完成できてひと安心。アニメを見た子どもたちが周りの人や家族と共有してより地元を好きになってもらえれば」と笑顔。作品を見た松井さんも「コロナ禍で時間が限られるなか大変だったと思うが、歴史上の説明も分かりやすくなり、見事期待に応えて頂いた」と喜んだ。
当日は大倉精神文化研究所の平井誠二理事長による講演や、木村会長作詞で畑真由美さん=人物風土記で紹介=作曲の歌唱『小机城を想う』も披露。イベントは横浜北部の文化遺産と市民をつなぐ、文化庁助成の「よこはま縁むすび講中」事業の一環で、今後近隣区で上映も行う予定。木村会長は「ボイスドラマ作品で、小机城代たちが小机領民たちの幸せを願っていたと感じた。この喜びを伝えようと活動が広がり、今回小机の歴史に足跡を残すことができた」と語る。今後、港北区内小中学校の教材として活用してもらえるようになればとしている。
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