新横浜をホームにするプロアイスホッケーチーム「横浜GRITS」の黒岩義博選手がこのほど、世界選手権に挑む日本代表に選出された。国内リーグ参戦2年のチームから初の代表選手に。黒岩選手は「涙が出そうなくらい嬉しかった。スピードと闘争心溢れたプレーを見てほしい」と意気込みを語る。
北海道出身・28歳の黒岩選手のポジションはゴールキーパー。中学卒業後に渡欧し海外での経験も豊富で、グリッツでは初年度から守備の要として活躍している。
「ファーストシュートやリバウンドへの反応が速い。常に声も出してサポートにも長けている」(浅沼芳征監督)という黒岩選手。日本代表入りを目標に掲げて挑んだ今シーズンも、チームのピンチを何度も救うなど好パフォーマンスを披露し、参戦2年目の国内トップリーグ初勝利にも貢献した。「スタッフ陣が信じてたくさんの試合に使い続けてくれ、自分のプレーの出し方が明確になってきている」と自身の成長を口にする。
常々公言していた念願の代表選出に「やっとここまで来られたと、さらにモチベーションが上がった」と振り返る黒岩選手。世界選手権での対戦国の一つウクライナは、かつて国内リーグでのプレー経験もあり「元チームムメイトも選ばれているので、代表戦での試合は楽しみ。スピードと闘争心溢れたプレーを見てほしい」と開幕を待ち望む。
日の丸の守護神に
グリッツから日本代表の輩出は初の快挙。「良いプレーを続けていれば必ず陽の目は見られる」と鼓舞し続けていたという浅沼監督は、「代表選手を出すことは大切な使命でもあった。本人・チームにとっても大きな朗報」と話す。黒岩選手に対しては「日の丸を着ることが目標ではなく、ゴールマウスを守り日本の勝利に貢献してほしい」とエールを送った。
ランクごとに8部門に分けて開催される世界選手権。日本は4月26日にポーランドで開幕するディビジョン1-B(3部相当)で、ポーランド、エストニア、ウクライナ、セルビアと対戦する。また、今季途中までグリッツでプレーし海外に移籍した平野裕志朗選手も代表入りしている。