港北区鳥山町にある、障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(運営/社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団)が8月に開館30周年を迎え、9月25日に周年記念イベントが行われた。
同施設は1992年、障害者の「完全参加と平等」の実現を目指す国際障害者年の理想に基づき、「国連障害者の10年」の最終年の記念施設として開館。まだ障害児者が気軽に地域で活動できる場が限られていたなか、当初からプールやボウリングルーム、体育館、創作工房などを有し、障害のある人がスポーツや文化に親しめる中核施設として、健康づくりや社会参加の促進等に取り組み続けている。
これまでの来館者数は今年の8月末時点で延べ約1137万人に。現在でもこれら機能を持つ大型施設は神奈川県内で唯一となっており、県内外から利用があるという。
地域支援も
障害者がより身近な地域でスポーツ等の活動をしやすいよう、各区の地域団体や施設とも連携した地域支援にも力を入れており、東京パラリンピックなども契機となって障害者スポーツへの理解が深まっていることから、近年では連携の輪が広がってきたという。
上條浩館長は「今後もラポールをきっかけに活動の場が広がるよう取り組むともに、アクセスの問題もあるので、地域で活動できるよう引き続き地域支援に力を入れていきたい」と話す。
またスポーツ、文化関連の教室等では、横浜市障がい者スポーツ指導者協議会のスポーツ指導員ら支援者と連携・協力し、利用者が活動に取り組みやすくしている同施設。上條館長は「今後も当事者、協力者と共に、スポーツ・文化の推進に取り組んでいきたい」と語った。
ラポール30年の軌跡辿る催しで周年ソングも披露
9月25日の記念イベントでは、卓球やボッチャなどさまざまな体験が行われたほか、シアターでは劇団四季や宝塚歌劇団の出身者らを中心に活動する「心魂プロジェクト」が公演。ラポールの30年間を歌とともに振り返った。
最後には同団体メンバーが作曲したラポール30周年ソングも初披露。歌詞はまだないが、同館は「今後、詞を付けるなどして活用していけたら」としている。
また、イベントの開幕・閉幕の際には、障害があっても気兼ねなく出かけられる場所として3歳の頃から親子で同館を利用し、現在はプロの和太鼓奏者となって活躍中の友野龍士さんが和太鼓を演奏。
30周年の節目に友野さんは「小さい時から過ごした思い出の場で夢を持つ大切さを伝えられる機会になったので嬉しい」と言葉を寄せた。
車いすバスケ公開試合も
23日には、30周年記念として、車いすバスケチーム「パラ神奈川SC」メンバーによる3対3のエキシビションゲームも。港北区内を拠点に活動する自転車競技BMXの双子ライダー「TWINS BMX」や世界大会3連覇経験を持つプロダブルダッチチームなども出演し会場は熱気に包まれた。
それぞれ参加者が選手と対決したり、競技に挑戦したりする場面も見られ、障害の有無を超え子どもから大人たちまで盛り上がっていた。
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