寿命が近づいた木は倒れやすく危険だと、今年7月に伐採された日吉南小学校(山中真紀子校長)の桜並木。思い出を残そうと、桜の絵をあしらった長半纏が9月29日、地域とPTAから同校に贈呈された。10月開催の運動会では、6年生が新しい長半纏で伝統のソーラン節を踊る。
新しい伝統に
贈呈式は放送室で行われ、各教室に配信。子どもたちは真剣な面持ちで式を見守っていた。実際に長半纏を着た児童が映ると、感嘆の声が上がり一気に盛り上がった。
初めて見る新しい長半纏に「すごい」「迫力がある」と笑顔の子どもたち。岩波雅人さん(6年)は「自分たちが、この衣装でソーラン節を踊る"初代"」と胸を張る。練習では、タイミングや掛け声を意識しているそう。川崎真依子さん(6年)は「ついに本番。『すごい!』と言ってもらえるように踊る」と目を輝かせた。
地域に元気与える
桜並木は同校が創立した頃から50年以上、変わらず子どもたちを見守り、地域に愛されてきた。80歳を過ぎてもなお、子どもと手をつないで歩いた入学式を覚えているという人も。伐採が決まると地域から「なんとか残せないか」「切った後もう一度植えて」と意見が集まり、PTAの藤田里絵さんは地域の強い思いを実感したそう。どうにか応えたいと思い、使いこまれて古くなったソーラン節の衣装に目を付けた。地域と協力し、桜を描いた衣装に一新。学校名のフォントや生地までこだわった。
毎年、運動会で6年生が踊るのが伝統のソーラン節。「踊りとともに花を咲かすことで、桜への思いを大切につなぐ」と山中校長は熱く語る。今年度は、コロナ禍を経て久々の一般公開。「ソーラン節と子どもたちの力で、地域に元気を届けたい」と話していた。
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