横浜市立駒林小学校(西尾武泰校長/日吉本町2丁目51番地1号)は今年、創立50周年を迎えた。50周年を学校、児童、地域とともに祝おうと11月23日には記念式典が行われた。壇上に立った西尾校長は、50周年を盛り上げるためにさまざまな企画を立て、実行してきた児童や保護者らの活動に対して謝意を表し、「この先の50年、さらに立派に成長していくスタート。皆で協力して頑張っていきましょう」と未来を見据えた。
駒林小学校の校舎は1972年12月に竣工し、下田小学校駒林分校として翌年1月に開校、4月には独立開校した。
74年3月に校歌、校章が制定され、11月にプール、12月に体育館が竣工するなど、児童の教育環境が整えられていった。
創立50周年を迎えるにあたっては、2022年10月に同校4〜6年の代表児童からなる駒林小50周年実行委員会が発足し、スローガン・キャラクター・創立50周年記念ソングの制定や横断幕の作成など、節目を祝うさまざまな取組みの中心として役割を果たした。
そこで決まったスローガンは「心一つに 未来につなごう 駒林のみんな」。この言葉がプリントされた横断幕は、校舎南側のベランダに掲示されている。
同年11月には、PTAらによる50周年実行委員会(平川昌俊実行委員長)主催の「50周年プレイベント」が開催され、「地域の方々も含め、50周年に向けた機運を高めたい」(平川実行委員長)との思いを共有してきた。
盛大に式典
迎えた創立50周年記念式典で西尾校長は、児童の成長を願う文言が記された50年前の学校だよりを紹介し、今後50年のさらなる成長のための協力を呼びかけた。平川実行委員長は「50周年に向けた活動では、多くの感動の瞬間に立ち会えた」と話し、「子どもたち中心の活動は、地域の協力なしには実現しなかった」と振り返った。
大平祥樹PTA会長は子どもたちが楽しそうに集う姿を見つめ、「これからも子どもたち、保護者や教職員、地域の方々とのつながりをより強くしたい」とした。
式典に続いて行われたのは「駒林小の歴史と特別音楽鑑賞」。著名音楽家の演奏やクイズに続く最後のプログラム「もっと音楽でお祝いしよう」ではPTA有志や教職員が踊りや合唱を披露した。場内は子どもたちの拍手や歓声で沸き返り、文字通り「心一つに、未来につなぐ」企画となった様子だった。
学校だより「第一号」より
取材時、西尾校長が手にしていたのは、「学校だより第一号」。そこには、当時の校長の「地域の人たちの尽力で開校できたことへの深い感謝や、在校児童の立派な成長への願い」が手書きで記されている。
西尾校長は「その気持ちを受け、今がある」と感慨深げに話していた。
丸池リニューアルクラファンで目標額達成
記念式典にあわせ、このほどビオトープとしてリニューアルされた学校敷地内にある丸池も披露された。「こどもたちがわくわくし、大人もリラックスできる憩いの場に」(西尾校長)、「子どもたちが中心となって進める取組みをぜひ成功させたい」(平川実行委員長)と始まった計画は、クラウドファンディングにより支援を募る形で進められた。
丸池は同校のシンボルの一つで、昇降口近くにある円形の池。子どもたちが水辺の植物や生物によってつくられる生態系について学んだり、地域の人が学校を訪れた際に一息ついたりできる場所でもある。「丸池が生まれ変わったら」――の問いに、児童からは「友だちとゆっくり休憩したい」「みんなが集まれるような場所に」といった思いが寄せられていた。
クラファンの支援総額は204万8186円。3つのプランを想定したが、支援総額が最高額のプランに達したため、丸池清掃や生物救出、生物の放流のほか、外周ベンチ設置、観察台設置、モザイクタイルによる装飾が可能となった。
心に刻まれた記念企画児童主役で次々と
同小学校ではこれまで、創立50周年の年が児童の心に刻まれるようにと、さまざまな企画が行われてきた。
周年行事の一環で航空写真の撮影があった今年5月30日には、校庭に集まった全校児童によるバルーンリリースが行われた。児童の手を離れた色とりどりの風船が青空に舞いあがり、次第に小さくなっていく様子を、児童らは時折手を振るなどしながら、いつまでも見つめていた。
6月23日には、開校記念集会が盛大に行われた。ここでは、児童手づくりの段ボール製の"ケーキ"で同校の誕生日を祝った。
実行委員の児童が事前に準備した土台部分に、各学年が順番に生クリームやイチゴ、ロウソク等に見立てた装飾を施し、直径約2mの児童手づくりの"特製ケーキ"を完成させた。
記念ソング、児童が作詞「輝け!駒林のみんな」
駒林小学校では、50周年実行委員会の児童を中心として、全校児童の思いをのせた50周年記念ソング「輝け!駒林のみんな」を制作した。
全校児童から「50周年に向けた思い」を集めた歌詞には、感謝の気持ちや未来への希望を表現したキーワードが並ぶ。
記念ソングには、「皆に親しまれ、100年後にも歌い継がれる歌となりますように!」との願いが込められている。
4年ぶりに全校児童が体育館に集まった6月の開校記念集会でもこの歌が児童によって披露され、西尾校長は「再開の日の最初の歌が記念ソングだなんて」と感激しきりだった。
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