11月10日(日)から、第50回記念現代童画展で作品を展示する 中村 景児さん 鳥山町在住 76歳
自分の「ワクワク」描く
○…塗料を霧状に吹き付けるエアブラシを使用して、絵本のイラストや挿絵などをメインにさまざまな作品を手掛けている。描くのは、「頭に思い浮かんでワクワクしたもの」。細かく表現できるエアブラシの作品はもちろん、額縁も自身の手で作るほどのこだわりを持つ。毎年中区のギャラリーで個展を開催。公募展やグループ展、菊名のギャラリー主催の展示などを含めると、2〜3カ月に1回程のペースで展示を行っている。
○…熊本県生まれ、鹿児島県育ち。父は写真館を営み、親戚は美術系の職に就いており、「(クリエイティブの道に)行くのが当たり前だった」と話す。親戚で集まると賞状をもらった数を競い合い、「陶芸やデザインなど、4部門あった県展の全部門で入選した」と誇らしげに語る。工業高校卒業後、教材メーカーに勤めながらデザイン研究所でデザインを学ぶ2年間を送った。退職後に入った先の、デザイン事務所でエアブラシと出会い、今につながる。
○…制作や展示など、多忙な毎日を送るが、昨年2月に腎不全と診断された。娘が異変を察知し、酸素飽和度を測定すると数値が低く、急いで病院に。その日から46日間の入院生活。現在は、透析療法で回復傾向にある。「透析の後は辛い」と話しつつも、「作ることが好きだから一休みしながら(制作していく)」と微笑む。
○…作品はイラストだけに留まらない。油絵や水彩画のほか、粘土などの立体作品、金属でブローチも制作。縫物も好きで自宅の作業場には皮を縫えるミシンを置いていて、カーテンや孫の幼稚園用バッグを縫った。「作っている時が一番楽しい。描き終えるとすぐに、次は何を作ろうかと考える」と少年のような笑みを浮かべる。
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