御朱印探訪【2】 「がまんさま」で知られる横浜市港北区 菊名神社 記者の参拝レポート
御朱印(ごしゅいん)とは、神社や寺を参拝した証として押印される印章印影のこと。参拝の記録として集める人も少なくない中、タウンニュース記者が横浜市内の寺社で入手できる御朱印を紹介する「御朱印探訪」。2回目は港北区菊名にある菊名神社を訪れた。
参拝前に「がまんさま」をひと撫で
東急東横線・JR横浜線の菊名駅東口から歩くこと約3分。参拝はまず菊名神社のシンボル、「がまんさま」からスタート。
「がまんさま」とは、手水鉢を支える四方の支柱になっている鬼の石像で、寛政年間(1789〜1801)に築かれたと伝えられている。長い年月、同じ仕事に飽きることなく手水鉢を支えている我慢強さから、努力や忍耐、継続が開運を招くとし、開運招福を願って「がまんさま」を撫でていく人が後を絶たない。あまりにも多く撫でられ摩耗したため、4体のうち1体は拝殿のガラスケース内に保存され、新しい像が手水鉢を支えている。
菊名神社の御祭神は5柱。というのも、昭和初期までこの地域では、神明社(天照皇大神)、杉山神社(日本武尊)、浅間神社(木花咲耶姫命)、八幡神社(譽田別命)、阿府神社(武内宿禰命)の5社が村の社として信仰を集めていたものが、1935(昭和10)年に合祀されたため。
絆をテーマにした24枚の天井画
平日は拝殿の中まで入ることはできないが、祈祷を申し込めば可能とのこと。今回は特別に扉を開けていただいて中へ。七五三の神事で使われる御幣や御鏡などを見せてもらう。
圧巻だったのは天井画。「菊」の花を中心に、四方には「がまんさま」、ほかに動植物など計24枚の天井画が飾られているのだ。
「これは『菊名の絆』をテーマに奉納されたものなんです」と教えてくれたのは、巫女の鈴木華蓮さん。現在よりも車道寄りにあった拝殿をクレーンを使い、現在の場所へ移動させたこと。その際に拝殿を丸ごと新しい建物で囲って、現在の状態になったことなども教えてくれた。
菊名神社では、例大祭といった神事だけではなく、七五三や安産祈願、厄除けといった個人での祈祷でも、巫女による御神楽が奉納されるという。「御神楽を見たいからと、こちらへ来てくださる方も結構いらっしゃいます」とのこと。
2枚つづりや切り絵などを使った御朱印も
その後、今回の目的である御朱印を求めて社務所へと向かう。菊名神社では、「がまんさま」を表した御朱印や、季節ごとの限定御朱印、地元・横浜に関連する御朱印など、魅力的なデザインが豊富。荘厳な絵柄の半透明のシートと和紙を組み合わせたものや、切り絵が重ねられたものなど、趣向を凝らしたものもあり、どれをいただくか、迷ってしまう。
来年の厄除けや八方除けに当たる歳の人に向けたもの、新春の限定御朱印など、この時期しか授与されないものもあるので、時間を作って再訪したい。
■港北区菊名6-5-14
【電話】045-431-9344
▽境内自由。御朱印授与は午前9時から午後5時
▽御朱印授与1枚500円から
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