NPO法人いろえんぴつ心理福祉コミュニティズの発足人で、理事・事務局長を務める 河野 芳子さん 菊名在勤 76歳
「体当たり」で寄り添う
○…「とにかく動いて、体当たり。主催イベントに出て欲しい方を出待ちして直談判とか」。障害者と社会を結ぶためにいまも奔走し続ける。自らが立ち上げた障害福祉サービス事業所「いろえんぴつ」は、地域作業所としてスタートした2000年の発足当初から菊名に拠点を設け、街の変化と共に障害者福祉と向き合ってきた。そして、今年で開設25周年を迎える。
○…神奈川区生まれ。2歳の頃に大倉山に移り住み、大綱小・大綱中と進学。20代半ばまでこの街で育ち、暮らした。幼い頃からテレビで放送されていた商業演劇に釘付けになり、中学では演劇部に所属した。高校では児童文化部で活動。部員が制作した紙粘土の人形で劇を行う中で、地域の福祉施設にボランティアで参加することがあり、福祉活動に興味を持つようになった。
○…「いろえんぴつ」開設の一番の理由は、長男の知的障害と、それにともなう”てんかん”に向き合う中で見つけていく。長男が幼い頃、周囲からの厳しい対応に、「障害のことを隠そうとしてしまうところがあった」と当時を振り返る。しかし、「隠していたらいつまでたっても絶対に理解されない」と自らを奮い立たせ、周囲への啓発と、障害があっても普通に生活できるような社会にしたいという思いで立ち上げに至った。
○…現在でも現場に立ち続け、利用者とのコミュニケーションを欠かさず、どんな状況でも体当たりで進み続けることは変わらない。今後について、「メンバーさん(利用者)が安心して歳を重ねられる場所であり続ける。そのために、いろえんぴつができる限り長く続いていくよう、啓発活動や後継者の育成に励みたい」と、その目は未来を見据えている。
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