4月2日「世界自閉症啓発デー」
毎年4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」。横浜市内で自閉スペクトラム症の人や保護者の支援、啓発活動などを行っているのが一般社団法人横浜市自閉症協会(事務局・中区、平下和子会長)。当事者支援へ向け、行政に施策提言を行うほか、家族や保護者らが正しい知識を持てるような勉強会を開く。同会は「自閉スペクトラム症の人は珍しくなく、正しい知識を深めてほしい」としている。
自閉スペクトラム症は、特定の行動に強いこだわりを持ったり、対人関係が苦手など、多様な障害特性がみられる発達障害の一つ。正確な原因は解明されていないが、約20〜40人に1人の割合で存在するというデータもある。外見では判断できず、特性が理解されづらい面もある。
同会は1979年に県全体の組織から独立する形で「横浜市自閉症児親の会」として発足。2008年に「横浜市自閉症協会」となり、18年に一般社団法人となった。現在は当事者の保護者を中心に約500人の会員がいる。家族や支援者が自閉スペクトラム症について正しい知識を深めるために専門家を招いて勉強会を開くほか、毎年、会員の声をまとめて横浜市や市教育委員会、県などに要望を提出している。同会によると、要望によって市の支援制度が拡充されたこともあるという。
「温かく見守って」
同会の平下会長は「支援者だけではなく、一般の方にも自閉スペクトラム症を知ってほしい」と話す。例えば、街中で独り言を発しながら歩き回るのは自閉スペクトラム症の特性の一つだが、それを見かけた時に注意したり、止めようとするのは避けてほしいという。森住京子副会長は「独り言を繰り返すことで安心している状態なので、離れた場所から温かく見守ってもらえればうれしい」という。平下会長も「彼らは独自の感覚やこだわりを持ち、得意なこともあれば、苦手なこともある。誤解や偏見がなければ、その個性をもっと活かせるはず。それは私たち全員が、自分らしく生きやすい社会につながることになる」と言葉に力を込める。
正しい情報を
同会は発足から46年が経過。会員減少や高齢化の課題に直面している。平下会長は「自閉スペクトラム症について、最近はSNSやネットを通して情報を得ている人が多いが、その中には正しくない情報もある。会員には幅広い年代の人がいて、実際に顔を合わせて共通する悩みを語り合っており、関係のある方は一度、活動を見てほしい」と呼びかける。
4月2日、桜木町駅前で啓発活動
世界自閉症啓発デーの4月2日、同会は午後2時から桜木町駅前広場で自閉スペクトラム症を解説したパンフレットを配布する。中区のマスコットキャラクター「スウィンギー」も参加。また、同日は市役所やよこはまコスモワールドの大観覧車「コスモクロック21」などが自閉スペクトラム症のシンボルカラーであるブルーにライトアップされる予定。
同会への問い合わせは【電話】045・663・0019(毎週木曜日午前10時30分〜午後1時30分)。
![]() 2024年の「コスモクロック21」のライトアップ
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