新吉田東3丁目を通る県道(宮内新横浜線)の小さな交差点に8月7日、横断歩道が設置された。優先道路に出ようとする自動車側からは民家の壁で見通しが悪く、5年前には死亡事故が起きている。近隣小学校の通学路にもなっている生活道路の安全を求める地域住民の声が形になった。
当該交差点は、優先道路に出ようとする自動車と、歩道を渡る歩行者や自転車との出合頭の接触事故や事故未遂が多く、数年前より地域住民から「信号機の設置」を求める声が上がっていた。しかし南北にある信号間の間隔が短いため、信号機は設置できず、また、優先道路との主従が明らかで、一時停止線も引けない状況だった。今年6月、依頼を受けた港北警察署の署員らが現地を訪れ、児童たちの集団登校の場面も確認。危険度や必要性の高さを感じ、横断歩道と標識の設置を決めた。同署の下田憲司交通課長は「限られた予算内で、どうすれば住民の不安が解消されるか。調整に時間がかかってしまいました」と話す。
同道路の北側、日吉元石川線(荏田綱島線)と交差する高田駅入口交差点そばには現在、大型ショッピングセンターが建設中。誕生すると、歩行者も自動車の往来も増加すると見込まれる。「このタイミングで設置してもらえてよかった」と話すのは、交差点そばに社屋を構える(株)シノザワ社長の篠沢秀夫さん。篠沢さんは設置を要望した住民のひとりだ。過去に何度も歩行者や自転車が自動車とぶつかりそうになる現場に遭遇。手を挙げて合図し、未然に事故を防いだこともあったという。「署長をはじめ、署員の皆さんが現場を見にきて、この場所でできるアイデアを出してもらった」と感謝を述べた。地域住民からも「車がきちんと止まるようになった」「体感治安が大幅に改善された」と喜ぶ声が上がった。
港北署管内では7月末までに、369件の交通事故が発生(暫定値)。昨年より97件増加した。死者数は0だが、負傷者437人は昨年より143人も増加。中でも子どもと高齢者の増加率が高い。下田交通課長は「横断歩道があるからといって事故が起きないわけではない。運転手も歩行者も交通ルールを守り、より一層気を付けるきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。
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