横浜市立新羽中学校(豊澤尚弘校長)2年生約90人は美術科の授業で、横浜市交通局と連携し、市営地下鉄ブルーライン北新横浜駅での掲示を想定したピクトグラム(案内記号)の制作に取り組んでいる。9月9日・10日・12日には実地調査を行った。今後はデザインを練り、11月頃に作品を完成させる予定。
授業の主な目的は、生徒らの資質・能力のより一層の育成。また、学校の授業での学びが実生活のどこで活用されているのか実感しながら制作する機会とする。
テーマは「北新横浜駅のお客様を快適にするピクトグラム」。ピクトグラムとは、情報や注意を示すために表示される案内記号のこと。図記号にすることで、言葉や年齢に関わらず、視覚的な情報伝達の役割を果たす。
完成した作品は地域の人に見られることを意識して取組むことでの責任感、掲示することでの達成感を生むこともねらいの一つ。生徒らは、『誰もが』便利に快適に過ごせるようなピクトグラムを制作していく。
実地調査を前に、同駅の鳥海武駅長による講話を受けた。仕事の話や「死角が多く出会い頭の衝突が多い」等、駅での困りごとを聞いた生徒らにとって、利用者の視点だけでなく運営者の意見から発見や気付きがあったという。
現地で検証
2回目の授業は現地に向かい、どこにピクトグラムが必要そうかを調査した。生徒らは、改札内外やホームなどの気になる箇所を撮影。その場で感じた疑問を、積極的に鳥海駅長に質問する姿も見られた。
平賀花和(はな)さんは、エスカレーターが上り専用のみの点とつばめの巣が作られている点に着目。「(わかりやすくするための)制作する作品のイメージが膨らんできた」と意欲が掻き立てられた様子で話した。沼田優那さんは、普段の生活からホームドアの注意書きに気付きにくいと感じていたという。「元のデザインを応用して、よりわかりやすいものを作成したい」と話した。
同校美術科の志村冬佳教諭は、協力した市交通局に感謝を示しながら、「駅の方の講話で、身近な”駅”という場所の現状を知ってから実際に見ると、自分以外の視点で細かな部分にも気付きを得られた。試行錯誤する中で思いやりを身につけ、自由な発想力で見る人が喜べるような作品が出来上がれば」と期待を込めた。
講師を務めた鳥海駅長。「先進的な授業に生き生きと取り組んでいた」と語り、「コンパクトな駅だけど見渡せば困ったところもある。パッと視界に入ってきてわかりやすいものができれば」とした。
次回からは、実地調査を元にデザインを考え、A4ケント紙にピクトグラムを表していく。
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