1945年5月29日、米軍爆撃機による攻撃で8千人以上の死者を出したとされる横浜大空襲から69年―。市立川和中学校演劇部は5月31日(土)、かながわ県民センターで朗読劇「証言・横浜大空襲」を上演する。部員らは本番さながらの真剣な表情で、最後の調整に励んでいる。
朗読劇は、5月30日から6月1日まで開催される第19回「平和のための戦争展inよこはま」の一環として行われる。同校が出演する31日には、小山内美江子実行委員長の講演なども予定されている。
約30分にわたる朗読劇の脚本は同校演劇部の山田容弘顧問(55)がこの舞台のために手掛けた。「実際に空襲を体験した人の声を残していかなければ」と、体験者の証言を軸にストーリーを構成。29日の惨劇を、現代の中学生が体験者から聞く形で進行するが、後半は29日から12日経った6月10日に金沢区富岡で起きた空襲へと展開する。
『もう空襲はこないだろう』と虚無感漂う街に、6月10日朝、再びB29が飛来した―。この語りで始まる”埋もれた惨状”。空襲を避けようと逃げ込んだ列車がトンネル内で爆撃に見舞われた。多くの死者を出した悲劇を、当時の目撃者から中学生が聞く。話を聞き終えた中学生は最後に「今、体験をした人がどんどん少なくなっていく時代。(略)だからこそ当時の人々の証言に耳を傾けなければ」と思いを新たにする。
「脚本を作るため資料を探しているうちに偶然見つけたのが富岡の空襲でした。29日の空襲の陰に隠れてあまり知られていない話で、記録も多くは残されていない。しかし、あまりにも悲惨な出来事でした」と山田顧問。練習は新入生の入った4月からスタート。部員たちは限られた時間の中、言葉に思いを込め、それぞれの役に専念する。弓田陽南子部長(3年)は「朗読会を通して空襲の出来事を少しでも多くの人に知ってもらいたい」と話し、節目の日、空襲体験者の声に魂をのせる。
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