都筑ふれあいの丘まちづくり協議会会長を務める 福富 洋一郎さん 葛が谷在住 71歳
「理想のまち」まであと一歩
○…静かな住宅地に緑が映える「都筑ふれあいの丘地区」をより良い地域にするため日々奔走する。終の棲家を探していた際、大きな道路ができつつある開発前のエリアを「必ずいいまちになる」と直感。44歳で葛が谷に移って以来、住民目線で地域活動に携わる。先月、協議会とまとめたまちづくりプランが市の認定を受け、これからいよいよ案を実行に移していく。「始まったばかり。プランに沿ったいいまちにしていきたい」と決意を新たにする。
○…福岡県北九州市に生まれ、父の転勤で就学前に東京へ。幼い頃は本や地図を読むのに熱中。小遣いを握りしめて神田の古本屋に入り浸っていたという。そこで得た知識を得意になって人に話しては「先生に『その辺にしておけ』とたしなめられた」と照れ臭そうに笑う。昔から勉強が得意で、東京大学法学部に現役で進学。4年生で司法試験に一発合格した。順風満帆な人生が目の前に開けていた。
○…弁護士か、それとも検事か。就職先を考えた時、思いがけず頭に浮かんだのは製鉄業が盛んだった地元・北九州の風景だった。日本の産業を支える地元企業に「わくわくした」あの頃を思い出し、故郷に戻って八幡製鐵に入社。のちに新日本製鐵と改めてからも企画、総務など様々な部署で定年まで勤め上げた。「アメリカ留学やプレゼンなど沢山の経験をさせてもらい鍛えられた」。これが現在の活動の基盤となっている。
○…幼少期の愛称は「福ちゃん」。今は活動を通じて親しくなった地域の子どもたちからそう呼ばれている。「地域を通してつながっている。何物にも代えがたい喜び」と目を細める。また、都筑図書館の魅力発信や、早渕川の清掃など市民活動に活発に参加。「今が一番忙しい。やりすぎかな」。開発前と比べていい地域になったが、「理想のまちまであと一歩。市民の方々と少しずつ歩んでいきたい」。開発前から眺めてきたこの町の発展を今後も見守り続ける。
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