意見広告・議会報告
「トランプ大統領誕生と日本の役割」 衆議院議員 鈴木けいすけ
11月8日のアメリカ大統領選挙。事前にはヒラリー・クリントン候補有利との報道が多かったものの、ふたを開けてみれば、ドナルド・トランプ候補の勝利との結果となりました。
イギリスのEU離脱の国民投票も世界に大きな衝撃を与えましたが、今回の衝撃はそれ以上のものではなかったかと思います。
とはいえ、来年一月にはトランプ・アメリカ合衆国大統領が現実に誕生するわけで、その政策次第では、我が国にとっても、景気、TPP、為替、株価、安全保障など、暮らしに大きな影響が出かねません。
私はこの夏に渡米し、日米同盟やTPP、東アジア情勢等について、多くの政界関係者と会談しました。その際、言われたことは、「どの候補が勝利しても、アメリカの今後の外交政策は、内向きになっている国内世論の影響を受けざるを得ないよ。」というものでした。
日本は、軍拡にひた走る中国や北朝鮮、またクリミアやシリア情勢で世界から孤立しつつある軍事大国ロシアに囲まれています。そして、中国は来年政治の季節を迎えますし、北朝鮮もいつ何が起こるかわかりません。
日本の周りはとても不安定な状況といっていい。
その不安定な状況に安定をもたらしてきたのは間違いなくアメリカの軍事的なプレゼンスです。アメリカが横須賀の第七艦隊や在沖縄米軍をはじめとする軍事力をいつまでこの東アジア・西太平洋地域に維持できるか。国内の世論の支持がなければ、財政が厳しい現状の中で展開の維持は難しいかもしれません。
台湾や韓国、ベトナムやオーストラリアの政治リーダーたちが心配しているのはまさにこの点です。アメリカや日本の関与が弱まれば、彼らは好むと好まざるとにかかわらず、中国に近づかざるを得なくなってしまいます。
日本としては、こうした近隣国との関係を強化し、アメリカの新政権に、アジアの実情への理解を促す役割が求められます。
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