魅力あるまちづくりに功績のあった個人や団体に贈られる「まちづくり功労者国土交通大臣表彰」の受賞者がこのほど発表され、中川駅前で活動する「NPO法人ぐるっと緑道」(塩入廣中代表)が選ばれた。
国交省は住民の積極的な参加のもと、創意工夫を生かしたまちづくりを推進しようと、1983年から毎年6月を「まちづくり月間」と定め、まちづくり功労者表彰を実施している。今年は全国30の個人や団体が選出され、県内では同法人を含む2団体が選ばれた。15日には、すまい・るホール=東京都文京区=で表彰式が行われる予定。
今回の受賞に関して塩入代表は「長年、活動したことが評価されて大変うれしい。日ごろ、中川で協力してくださっている皆さんのモチベーションアップにつながれば」と喜ぶ。
地域ぐるみの活動評価
ぐるっと緑道は、中川駅前商業地区振興会(大久保信正会長)らの協力のもと、住民同士の交流拠点やまちの情報を発信する案内所として2011年、コミュニティカフェ「ほっとカフェ中川」を開設。翌年にNPO法人化した。住民ならではの細かい気づきを生かし、歩行者の安全確保のため歩道の整備や、活気が失われつつあったまちに花壇やベンチ、ステージなどを設置し、花と緑あれるまちに再生してきた。
また昨年4月には、都筑区役所や地域住民、東京都市大学の学生らと、早渕川沿いの中川3丁目付近に植物や花で彩られた散策路「早渕川・老馬(ろうば)谷(やと)ガーデン」を開所。以前は膝まである雑草地だったため、草刈りや抜根、石の除去、基盤整理、植栽などを行い、約1年かけて完成させた。
四季折々の草花を楽しめる憩いの場となるよう、クローバーの広場や果樹の植栽、パンジー、ノースポールなど、色とりどりの花壇を並べ、今では近隣住民の目を楽しませている。
同法人は現在、14人のメンバーと事業者、大学、さまざまなボランティア団体と連携し、月1回の駅周辺の清掃や花壇整備などの活動を実施している。
こうした公共空間の安全性向上や魅力づくりを、住民同士のネットワークを築きながら活動してきたことなどが評価され、今回の受賞に至った。
塩入代表は「『自分たちのまちは自分たちの手でつくるんだ』という強い気持ちを持ち、これからも地域の方々と一緒に、私たちにできることは何かを日々考え、行動に移していきたい」と前を見据える。
国交省に推薦した、都市整備局地域まちづくり課担当課長は「1つの団体だけでなく、多くの地元民が『まちを良くしていきたい』という純粋な思いが実を結んだ結果。今後もより良いまちづくりのため、地域ぐるみの活動を続けていってほしい」と期待を寄せた。
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