区内を拠点に活動するシェアリングケアリングカルチャーと、(公財)横浜市ふるさと歴史財団は現在、異文化交流を目的とした新事業の準備を進めている。横浜市から支援を受け、1団体に対して上限100万円の補助金が支給される。
ラグビーワールドカップ2019や東京2020五輪・パラリンピック開催を契機に、市国際局が昨年度から実施する横浜市多文化共生市民活動支援補助事業。「来訪外国人のおもてなし」や「異文化理解の促進」、「在住外国人の活躍推進」に関する活動を行う、市民団体などを市が支援する。
多国籍主婦主役の社会へ
シェアリングケアリングカルチャー(三坂慶子代表・大丸在住)は2014年、日本在住の外国人主婦が活躍できる場を作ることなどを目的に三坂代表が結成。日本を含む、様々な国の主婦同士が自国の家庭料理や音楽、ダンスなどを披露し、相互理解を深める講座を青葉国際交流ラウンジなどで主催している。また8月には保育園や病院など、外国人親子が生活する上で役立つ情報を英語で記した子育てガイドブックも発行予定。
今回補助対象になったのは、イスラム教の戒律で食べることが許されているハラール料理やフィリピン、タイなどの多国籍料理教室の開催。そのほか、多くの外国人がイベントに参加できるよう、多言語に訳されたカルチャー講座のリーフレットも作成する。11月まで講座の様子を写真に収め、来年3月ごろの完成を目指す。外国人向け日本語教室などを開催する市内の各国際交流ラウンジへの配架を検討中だ。
こうした外国人自身が主役となって活躍を促す取り組みが評価され、市の支援が決定した。
三坂代表は「日本人だけがリードする多文化共生でなく、外国人の思いを組み込んだ活動に取り組んでいきたい。日本語を話せなくても、役に立っていると感じてもらえるような社会の実現を目指したい」と話す。
横浜の歴史外国人に周知
市歴史博物館を運営する(公財)横浜市ふるさと歴史財団は、常設展示や遺跡公園などを紹介する、外国人来館者向け英語ガイドブックの製作に取りかかる。来年3月までの完成目指し、同館のほか、市内の観光案内所や商業施設、駅などへの配架を検討している。
また区内の中学、高校と連携し、館内にある展示物の解説を外国語で行う学生ボランティア育成にも力を入れていく。
市内に多く存在する遺産のPRと、地元の学生を巻き込んだ活動が今回、市の審査を通ったポイントとなった。
同事業担当で学芸員の福原庸子さんは「横浜3万年のドラマチックな歴史を、外国人に知ってもらいたい。また若者がテストのために英語を学ぶのではなく、文化に触れながら、グローバルな視点を持ち、世界へ羽ばたいてもらいたい」と語る。
市国際局政策総務課担当課長の関谷聡さんは「各団体の優れた活動を通じて、たくさんの市民に多文化共生を広く理解してもらえれば」と願う。
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