病気や障害と共に生きる人を応援する新聞『ゆうこ新聞』が昨年12月の発行で最終号となった。11年間、個人で年4回の発行を続けてきたのは都筑区在住で自身も難病の小川ゆう子さん(50)だ。全国の似た境遇の人たちの心の支えとして親しまれてきた。
新聞はこれまで都筑区を含む市内7区役所に置かれていたほか、持病がある人など全国700人以上の希望者に無料で郵送してきた。当事者・関連団体への取材記事や患者ならではの「あるある」など、一人で不安や悩みを抱える人が「ほっこり」するような紙面を届けてきたが、資金的な事情などにより無期限での休刊を決めた。
「ぽつんとしてる人が元気になれば」と、手作り感のある温かい新聞作りを貫いてきた。小川さんは34歳で膠原病の一種である全身性エリテマトーデスを発症。その翌年以降も3年ほど入退院を繰り返し、家で療養する日々に。そんな闘病中に知ったのが、病院で出会った多くの患者が様々なことに悩み、困っていることだった。
症状が落ち着いてきた頃、区の膠原病交流会で出会った友人に「何かしたいけどどうすれば」と相談し、「新聞を出すとか」と聞き返した友人のひょんな一言が、新聞作りのきっかけに。「知った以上何か役に立ちたいと思った。ぽつんとしている人にどうしたら喜んでもらえるかと」
初めは知り合いや身内に手渡すだけだったが、徐々に広がり北海道から沖縄まで、学生から80代まで読まれるように。4コマ漫画など県内外の難病患者らの制作協力に加え、読者の切手の寄付や家族の支援を費用に充てて続けてきたことから「本当に感謝」と語る。
病気などで仕事が続けられなくなり経済的に苦しくなったり友人が減っていく、出口が見えないなど患者の状況は様々だが、孤独な気持ちになることも多いと小川さん。そんな時に新聞が支えとなった読者からは「一人じゃないと思えた」との声や、家族から「入院中も本人がいつも楽しみにしている」といった手紙が寄せられてきた。
「直接会うことはないが、私にとって家族や親戚のように思っている。皆さんありがとうという言葉しかない。また形を変えて続けていけたら」
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