横浜市が2022年度、外国人介護人材の受け入れに関する事業所向けのセミナーと研修事業に着手する。介護業界における慢性的な人手不足を改善する一手として、外国人の受け入れ促進や定着化を支援していく。
市高齢健康福祉課によると、団塊の世代が75歳以上になる25年には、市内で約6500人の介護人材が不足すると推計されている。市は人材確保の一環として、ベトナムの都市や学校と締結した覚書(18年度)を皮切りに海外からの受け入れを本格化。中国の都市とも同様の覚書を交わしたほか、訪日前の日本語研修や市内施設とのマッチング支援を行ってきた。
セミナーは事業所の経営者や人事担当者など向け。手続きやメリットの説明に加え、外国人介護人材の日本語能力を把握できるような内容も検討しており、今年度に2回ほど開く予定。受け入れ施設の職員などを対象にした研修も行い、コミュニケーション方法などのノウハウを事例を交えて紹介する。研修の形態や回数は検討中という。
セミナーや研修を行う背景には、コミュニケーションなどに不安を抱く施設が多い点がある。言語だけではなく、価値観や生活マナー、宗教などが異なるため、日本人職員や利用者との関係、指導方法などが心配されているという。受け入れの仕組みづくりが難しいという声もあり、同課の職員は「(セミナーや研修が)不安を解消することにつながれば」と話す。
「行政の支援心強い」
特別養護老人ホームなどを運営する(福)愛成会=瀬谷区=は経済連携協定(EPA)に基づき、6年前からベトナムなどの人材を受け入れてきた。「高齢者を大切にする思いやおもてなしの心は日本人より高く感じることも」と平本秀真(ほずま)本部長。外国人の働きやすい環境を整えることが、職場全体の労働環境改善にもつながったという。
市のセミナーと研修については「横のつながりが薄い施設もある。行政による勉強会は心強いのでは」と評価。その一方で、受け入れ体制づくりや育成、サポートには時間と経費がかかるとして、「雇用している外国人の人数や実績に応じた支援策などがあれば」と話していた。
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