鶴見川周辺の風景を収めた写真集「鶴見川流域録」を自費出版した 渋谷 秀雄さん 青葉区在住 74歳
街と自然に愛着を込めて
○…千葉市で生まれ、東京の下町で育った。30代半ばを過ぎた頃、都筑区に転居。開発が盛んで、街が変貌していく姿を目の当たりにした。至る所で造成工事や発掘調査が行われ、気づけば続々と新しい街並みが出来上がっていく。「住み始めた頃の街の姿を写真で残しておけばよかった」。そんな後悔の念から、昔好きだったカメラを再び手に。12年かけて地域の写真を撮りため一冊にまとめ上げた。
○…高校時代に写真に興味を持ち、父のカメラをよく拝借したという。撮るのも見るのも好きで神保町の古本街に通っては写真誌を買いあさったことも。その後、多摩芸術学園の写真科に入学。写真の技術を学んだ後、カメラマンの事務所で手伝いにも励んだ。ただ、「自分の好きな風景写真の分野では食べていくのは難しい」と朝日新聞社印刷局に就職。以降は「局内報の撮影の時くらいしか、カメラに触ってこなかった」と苦笑い。それでも技術はさび付くことはなかったようだ。
○…小学5年生の時、ネフローゼ症候群という腎臓の病気になり、1年間の入院生活を送った。運動も止められ、小中学校の体育はいつも見学。その反動からか、唯一認めてもらえた自転車が趣味となり、ツーリングにのめり込むように。社会人になってからは社内にクラブを立ち上げ、日本全国を走り回った。最近は乗れなくなったが、「今でも1台の愛車は残してあります」と笑う。
○…3年前に市ケ尾町に。今回の写真集「鶴見川流域録」は、80冊を印刷。その多くは、地域を知る資料になればと近隣の図書館に献本した。「長くお世話になった地元に、少しでも役に立てればと思って。埋もれてしまいそうな地域の歴史に、少しでも光が当たればうれしいです」
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