2022年度の図書館の利用状況や事業実績などをまとめた「横浜市の図書館(横浜市立図書館年報)2023」が6月30日に発行された。都筑図書館の年間の貸出冊数は101万4166冊で、横浜市内18区中トップに。中央図書館(移動図書館除く)の91万4895冊よりも多く、中央図書館を除いた地域図書館の平均貸出冊数の約2倍だった。また、年間入館者数は約75万人で、こちらも他の地域図書館の約2倍に。中央図書館と同程度の水準だった。
立地と区民特性
なぜ、都筑図書館の利用率は、他区に比べて高いのか――。大谷康晴館長はその理由を大きくわけて2つあげる。
1つは立地条件。同館は、大規模ニュータウンの中心部に位置し、2つの地下鉄線が交差するセンター南駅から徒歩6分という好立地にある。また、区役所1階にあり駐車場も充実しているため、車でのアクセスも良い上に、周辺には商業施設や行政施設が集積している。「用事の”ついで”に気軽に寄ることができる利便性の高さが要因の一つ」と話す。
2つ目は区民の特性だ。都筑区は子育て世代を中心とした人口構成で、18区の中で一番、平均年齢が若く、子どもの数も多い。これに合わせ同館の児童書の蔵書数は、全体の約30%を占める。児童書の貸出冊数は約40%(43万8427冊)で、他館より約10ポイント高い。大谷館長は「児童書は一度に多くの冊数が貸し出される傾向がある」と指摘。児童書の貸出冊数の多さが数字を底上げしていることが伺える。加えて、都筑区は「区民の文化活動や読書活動が活発」とも。読書をテーマにした市民団体が数多くあることについても言及した。
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