公益社団法人横浜市幼稚園協会(清水純也会長)は横浜市と協働で「私立幼稚園等における医療的ケア児受入れのためのガイドライン」をこのほど、策定した。幼稚園や認定こども園の医療的ケア児の円滑な受入れや安全で安心できる園生活を支援していく目的がある。
医療的ケア児とは、日常生活及び、社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠な子どものこと。
政府は、22年9月に「保育所等における医療的ケア児受入れ推進ガイドライン」を策定。今回、市と横浜市幼稚園協会が協働して、「私立幼稚園等における医療的ケア児受入れのためのガイドライン」を策定した。各園が保護者と協力し、医療的ケア児を含む子どもたちの育ちを支えていくための指針となっている。横浜市によると、医療的ケア児のガイドラインについて、幼稚園団体と行政が協働して策定するのは全国初だという。
同ガイドラインは、表紙、裏表紙、参考資料含め全28ページあり、5章で構成される。各章は、幼稚園・認定こども園で行う医療的ケアの内容など基本的な事項(1章)から入園までに保護者と各園が行うこと(2章)、園での集団生活を行う際の配慮や留意点、安全管理(3章)、支援機関との連携(4章)、入園後の支援(5章)の内容となっている。横浜市のホームページから閲覧ができる。
体験談も掲載
同協会が協働で策定したことで、医療的ケア児の受入れを経験した幼稚園・認定こども園の教諭らの意見をもとに基本事項や支援の制度、相談先の整理を行ったほか、子どもや園の状況に応じた受入れができるよう必要な医療的ケアや登園頻度などをまとめた実際の受入れ事例を「体験談」として掲載した。市の担当者は「各園で医療的ケア児の受入れを行う際に、ガイドラインを参考にいただければ。今後は、研修なども実施していきたい」と話した。
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