障害児や医療的ケア児の居場所を幼稚園に作りたい――そんな想いで障害児らの保護者が立ち上げたのが、区内早渕にある一般社団法人うるの木だ。港北幼稚園の園内に「児童発達支援事業所」を来年4月に開所することを目指し活動をしている。現在は月1回、同園で障害の有無に関わらず子どもや保護者がつながる場「Wacca」(わっか)を開催。すべての子どもが通園できる環境づくりにまい進する。
「わっか」は、月1回日曜日に開催。「子どもとして当たり前に過ごす場所を提供したい」と、クリスマスや運動会などのイベントも季節にあわせて行う。「こういうイベントへは参加できないと思っていた」――ある保護者の感想だ。「保育園や幼稚園で、暗に不参加を促されるケースが少なくない」と、同法人の長岐裕美代表理事は指摘する。居場所を求める保護者によって、わっかの予約開始後はすぐに定員に達してしまうという。
同法人はこうした現状を変えるため、「障害の有無に関わらず集える”居場所”の常設」としての児童発達支援事業所の開所を計画。児童発達支援管理責任者や保育士、理学療法士ら障害や医療的ケアの専門的知識を持ったスタッフを配し、1日10人の児童を受け入れる予定だ。
児童発達支援事業所とは、障害のある子どもに対し、日常生活に必要な基本的な動作の訓練、集団生活への適応の指導を進める場所。市内に200カ所以上あるが、幼稚園や保育園に併設された事業所はまだ珍しい。6月30日に終了した運営費を募るクラウドファンディングでは、目標の250万円を大きく上回る634万円を達成。多くの人が期待を寄せる結果となった。長岐代表理事は、「インクルーシブ幼児教育を推進するモデル園になれば」と話す。
社会の目を温かく
同法人の長岐代表理事と墳崎知美理事は、港北幼稚園の渡邉英則園長の娘で、それぞれダウン症、心臓病をもつ子どもの母親だ。「長男が生まれる前は、町で車いすの方を見てもどこか他人事で、障害に偏見があった」という長岐代表理事。「なんで私なの」と息子を受け入れることができなかったと振り返る。同じ立場の母親とSNSでつながり、共有した悩みは「社会の目」。「周りの目が気になって、公園に行くのも勇気がいる。社会が温かい目を向けてくれれば、前を向けるはず」という想いを強くした。
想いを同じくした姉妹は昨夏、同法人を設立。渡邉園長を説得し、日曜日に同園でわっかを開催するようになった。今では、「自分のところに生まれてきてくれた方が、社会が良くなると考えられるようになった」と笑顔を見せた。
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