横浜北部4区(都筑区・港北区・青葉区・緑区)で活動しているまちづくり市民団体の交流会が10月14日、かけはし都筑=荏田東=で行われた。都筑区から参加した「都筑魅力アップ協議会」は「横浜北部4区における市街化調整区域の違反建築物」について発表。独自のフィールド調査で区内に438件の違反建築物があった現状などを報告した。
この交流会は横浜北部の情報交換を活発にしようと2011年から毎年1回、行われてきた。コロナ禍で中断してため、開催は3年半ぶり。各区からまちづくり団体の代表者らが出席し(青葉区は諸事情で欠席)、活動報告や質疑応答、意見交換を行った。
都筑魅力アップ協議会の地理の元高校教諭、秋山満さん(92/牛久保東在住)は市街化調整区域の違反建築物について話した。市街化調整区域とは、市街化を抑制する区域。開発行為や建築行為は原則として都市計画法で制限されている。都筑区は30・8%が市街化調整区域となっている(21年3月末現在)。
20年から調査開始
同会は4年ほど前から「都筑のいい景観」を皆で探り守ろうと景観の捕捉やストックサイトを運営している。活動を続ける中で秋山さんの目に留まったのは、早渕川沿いの長閑な田園風景にそぐわない1件の違法建築物。秋山さんは地域の現状を知るため、20年10月からフィールド調査を開始した。自身の足で市街化調整区域を歩き違法建築物らしき建物を見つけては1件1件番号をふり写真に収め、3千分の1の詳細地図に落とし込んでいった。調査は都筑区内だけでなく、港北区・青葉区・緑区に及んだ。
秋山さんは23年1月までの調査結果を、「市民からの提案」を通じて数十回にわたり横浜市に提出。市建築局からの回答によると、指摘した都筑区内の建築物451件のうち、都市計画法の手続きが無届だった違反件数は438件だった。定期的に調査した場所を歩き変化を観察している秋山さんによると、指摘した建築物が撤去された事例もあったという。
秋山さんは見落としている建築物もあるかもしれないとした上で、「違反建築は、景観を損ねるだけではなく、台風や地震などの災害時に倒壊の危険性が高いものもある。この現状を広く知ってもらい、改善につながれば」と話した。
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