東山田準工業地域にある地元企業の魅力を小学生に伝える「まち探検」が10月24日に行われた。この取り組みは、東山田の企業、スリーハイが10年前に開始。今回は山田小学校(藤原明美校長)の2年生65人が、中小企業3社を訪れ、職場見学や仕事体験をした。10年間でまち探検に参加した児童は、1780人に上った。
まち探検当日、参加児童は3グループに分かれて同工業地域にあるスリーハイ、ヤマト運輸、ジェーピーエス製薬にそれぞれ足を運んだ。
スリーハイでは、同社が製造・販売しているヒーター各種の解説から始まり、どこで使用されているかなどをクイズ形式で児童に説明した。クイズに参加した児童は「そんなところにヒーターがあるとは思わなかった」と驚いた様子で話した。
ジェーピーエス製薬では、担当者が漢方薬について解説。また、江戸時代の頃に使用されていた道具を使い、児童自ら薬の調合を行った。
ヤマト運輸では、トラックの積載量や暖冷房の設備について学んだ。見学を振り返り「もう1度(まち探検)をしたい」と話す児童もいた。
この取り組みを主導したスリーハイの男澤誠代表は「中小企業の人手不足が叫ばれる中、製造業の魅力を伝えることで、子どもの将来の選択肢が広がれば」と話す。
すべての企業が協力する取組に
まち探検が始まったのは2013年。地域住民と交流することが中小企業の魅力を伝える第一歩という考えから、男澤代表が企画した。10年間で参加した児童の数は1780人に上る(同社調べ)。
当初はスリーハイ単独で行っていたが、様々な企業の魅力を知ってほしいと他企業にも呼びかけ。回数を重ねるうちにまち探検に協力する地元企業が増えていった。
現在は東山田にある企業約80社のうち20社が協力する。最終目標は、東山田にある企業全てがまち探検に協力してくれること。まち探検の輪を今も広げ続ける。
「地域住民の理解と協力があってこそ、町工場はなりたっている」と男澤代表。「今後も継続的に行うことで、魅力発信の他にも若い人に製造業や中小企業への偏見をなくすことができたら」と話した。
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