ヨコハマ市民まち普請事業の最終審査となる2次コンテストが1月28日、横浜市庁舎で行われ、都筑区の団体「えだきん×夢叶(ゆめかな)きゃらばん」(上野佳代表)の提案が助成対象に選ばれた。えだきん商店会(荏田南)の製パン店「パリジェンヌ」の前にあるテラスを新設し、リアルとバーチャルの両面で地域住民が集う場所を目指す。
対象のテラスは、10年以上前に「パリジェンヌ」の店主が地域住民の憩いの場になるようにと整備した。普段から買い物や通勤通学で人通りがあり、学校帰りの小中学生からシニア層まで老若男女が集う交流の場となっている。しかし近年は老朽化が進んできたため、同団体の上野代表は店長の児玉敦子さんから相談を受けていた。
一昨年と昨年にもまち普請事業に応募したが、バーチャルのイメージがうまく伝わらず落選。今回は「バーチャルとリアルをつなぐ中継点として、引きこもりがちな人や近隣の学生、高齢者まで誰でも集え学べる『中間支援的な空間』を作る」と提案した。
整備内容は、【1】講座や屋台食堂の開催場所として誰でも気軽に集える「青空テラス」の設置【2】テラスの一部を地域住民が歌やダンスなどを発表できる「いつでもステージ」の設置【3】アプリ「バーチャル空間の商店街」の開発・活用。4月に着工予定で、今年秋ごろの完成を予定する。
自然につながる場に
店長の児玉さんは「取り壊しに関しては感慨深いものもある。ただ、今は新しいことが始まる期待感のほうが大きい」と前向きに話す。採用されたことについて上野代表は、「これからが大変」と述べつつ、「テラスを整備することで、様々な人がイベントなどを通して自然につながりが生まれる商店街にしたい」と話す。
完成後は高齢者向けの読書会や小中学生向けの無料の寺子屋、不登校児親子向けの居場所として機能させていく。「完成したらぜひ、遊びにきてください」と上野代表は話した。
まち普請事業は市民が主体となって行う地域の課題解決・魅力向上のための施設整備の提案に対し、市が支援や助成を行う。今年度はえだきん×夢叶きゃらばんを含め2つの提案が助成対象に。最大500万円の助成金が交付され、提案を形にしていく。
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