障害者雇用促進法の改正により、この4月から民間企業の法定雇用率が2・3%から2・5%に引き上げられる。市内の就労支援センターの担当者は「実際の仕事の質もより重要になってくる」とする中、市健康福祉局も企業への啓発に力を入れる。
障害者雇用促進法は障害に関係なく、希望や能力に応じて誰もが職業を通じた社会参加のできる「共生社会」実現の理念のもと、事業主に障害者雇用を義務付けている。今回の改正で従業員40人以上の事業主は1人以上の障害者を雇用する必要がある。
横浜市を含む神奈川県を管轄する厚生労働省神奈川労働局によると、県内の実雇用率は昨年6月時点で2・29%。年々増加傾向だが、全国で40番目という低い水準にとどまる。
神奈川労働局では中小企業を中心に障害者雇用に関する知識やノウハウが不足していることが一要因ととらえ、企業の支援などに取り組む。市健康福祉局も企業への出前講座など啓発に力を入れており、「どういった仕事を任せたらよいかなど、イメージをもってもらうことも大事」としている。
仕事の「質も重要」
また今回の改正では長時間の勤務が困難な障害者の雇用を拡大するため、算定の特例を導入。これまでは週20時間以上働けない人は算定できなかったが、10時間以上であれば0・5人として算定できることとなる。
精神障害がある人が主に利用する市内のある就労支援事業所は「20時間のハードルは一般には高く、それができるのは一握り。10時間なら力を発揮できるという人もおり、門戸は広がる」と担当者は歓迎する。
一方で、横浜西部就労支援センターの担当者は「率だけに着目されると、とりあえず雇いさえすればよいとなる」と警鐘を鳴らす。在籍しても仕事を任されないケースもあり、仕事のやりがいや成長の機会が重要とする。「共生社会を目指す上では、企業も障害者雇用を負担とするのではなく、人材不足の中で戦力として考えてもらえるようになれば」と話した。
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