医療法人中川駅前歯科クリニック(二宮威重院長)が今年度、横浜市国民健康保険の特定保健指導指定事業者に認定された。市内では医療機関など48の事業者が認定をうけているが、歯科では市内唯一、都筑区内でも唯一の指定事業者となっている。
特定健診とは「メタボ検診」とも呼ばれ、生活習慣病の予防のために、40歳から74歳の人を対象にメタボリックシンドロームに着目した健診のこと。特定保健指導は、特定健診の受診者のうち、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善で、生活習慣病の予防効果が多く期待できる人に対し、医師、保健師、管理栄養士などの専門スタッフが生活習慣を見直すサポートをするもの。厚生労働省は、生活習慣病を未然に防いだり重症化を予防することで、健康寿命の延伸や医療費の削減等を期待する。
都筑区1/69
厚労省が発表した2022年度の特定健診・特定保健指導の実施状況によると、特定健診の対象者約5192万人のうち、受診者は約3017万人(実施率58・1%)。特定保健指導の対象者は、受診者の約17%にあたる512万人。そのうち指導を終了したのは、約135万人(終了率26・5%)にとどまっている。
横浜市内では約1000の医療機関で特定健診が受けられる。特定保健指導ができるのは医師、保健師、管理栄養士のため、特定健診を受診した医療機関で指導を受けられれば効率が良い。ただ実際には保健指導を実施している医療機関は少なく、市内では48にとどまる。都筑区でも特定健診は69の医療機関で受けられるが、保健指導は同クリニックのみの状況だ。
二宮院長によると、歯科医師は3カ月以上の継続的支援の際に、食生活の支援についてのみしか指導できないが、同クリニックには管理栄養士の資格を持つ歯科助手の中野智円さんと宮本花菜さんが常駐しているため、指導が可能とのこと。二宮院長は「近隣に指定事業者がいなければ、保健指導を受けたくても受けられず、『面倒』と思って受けなければ、生活習慣病の予防や改善につながらない」と保健指導事業者に手を挙げた。
実際に横浜市の特定健診の受診率、保健指導の終了率は全国平均を大きく下回っており、神奈川県や政令市の平均と比べても低い状況。新しく策定された2024年度から6年間の計画を示す第3期横浜市国民健康保険保健事業実施計画(データヘルス計画)および第4期特定健診等実施計画では、29年度の特定健診受診率を40・5%、特定保健指導終了率を22・5%に引き上げる目標を掲げている。
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