佐江戸町の「伊藤忠ユニダス株式会社」は、日本を代表する総合商社の一つ伊藤忠商事株式会社を親会社に持つ特例子会社。設立から間もなく半世紀。特例子会社の先駆けとして同社が目指すのは、障害者と健常者が共に等しく生きるノーマライゼーションの実現だ。
You Need Us
特例子会社は、障害者雇用促進法で民間企業に課せられた障害者の法定雇用率確保のため、企業が障害者の就労に配慮し設けた子会社のこと。
「世の中から必要とされる会社」を目指す意味を込め、社内公募でユニダス(You Need Us)と名付けられた同社は1987年に設立。翌88年、全国で27番目、神奈川県初の特例子会社として認定された。
福利厚生からの脱却
設立当初の同社の仕事は山手にあった親会社の独身寮に住む社員向けのクリーニング(洗濯)で、福利厚生の意味合いが強かった。社員寮の敷地内にあった倉庫にクリーニング設備を入れ、健常者10人、障害者10人でスタートした。
その後プリントサービス(印刷)事業を開始。親会社をはじめ、グループ会社の名刺や封筒の印刷を請け負った。
クリーニング業は、バブル崩壊で社員寮が売却され、大口の「顧客」を失う。近隣の京浜工業地帯にある企業の社宅や独身寮、グループ会社が手掛けるマンションの住人などに宣伝チラシを撒くなどの営業活動も行った。
今では丁寧で質の高い仕事が評判を呼び、都内のタワーマンションなどからも受注。代表取締役社長の林啓志さんは「コンシェルジュサービスのためフロント一括集配で効率が良い」と話す。
またコロナ禍の副産物で3年前には旭区内のショッピングタウンに初めての実店舗を構えた。地元重視や質の高さが住民の求めるニーズなどと合致し、喜ばれているという。
印刷事業も今では学校やホテル、病院など一般からの注文が、親会社からの注文を上回っている。
現在は129人の社員の内、障害のある社員は77人。10代から60代以上まで幅広い年齢層で、最も長い社員は勤続年数37年を数える。クリーニング士の資格を持つ障害者も8人いる。
取締役の畔上明さんは「障害者と健常者がともに生きる社会が当たり前になるよう、我々で実現していきたい」と力強く語った。
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