養蚕の復活を目指すプロジェクト「SILK WOODS横濱」の代表を務める 牧野 玲子さん 加賀原在住 72歳
横浜産シルクに魅せられて
○…開港をきっかけに横浜を代表する産業の一つとなったシルク。神奈川県内に養蚕農家が途絶えて十数年経つ中、横浜産シルク復活を夢見て、地産地消で養蚕を行うプロジェクト「SILK WOODS横濱」を立ち上げた。3月末には所有する市内の畑に蚕のエサとなる桑の苗木を400本植樹。「今さら養蚕?」と呆れられることもあるというが、「具体的に商品が出来れば弾みになるのでは」と期待する。「シルクの良さのPRと教育は、『横浜』の役目」と語る使命感。10月4、5日に開催される「横濱コクーン・スクウェア」のサブタイトル「シルクは横浜のプライド」を文字通り体現する。
○…きっかけは、女性経営者の会で知り合った「日本シルクを守り育てる会」会長の稲葉みちよさんとの出会いから。横浜産シルクを世界に発信する点で意気投合。昨年、20年ぶりに横浜で行われた「シルクサミットIN横浜」で、プロジェクトの計画を発表した。思えば出身の長野も養蚕が盛んな土地柄だった。桑の木が成長するまでの2年間、形になるものは何も生み出さないが、「酸素を出すし、緑化になる」と意に介さない。
○…プロジェクトの推進に当たり、循環型社会を考慮し、「アップサイクル」による有機肥料の活用も検討。桑の木の生育に必要な水を確保するため、畑に井戸を掘るクラウドファンディングを始める予定。2年後には佐江戸の造園会社事務所近くに、座繰りによる繭製糸や真綿づくりなど子どもから大人まで養蚕を学べる場にしたいとも考えている。
○…趣味もシルクつながりのちりめん細工。古い着物を買ってきては、八掛(はっかけ)を外して使う。「カラフルな絵の具と同じですよ」と少女のように楽し気にほほ笑んだ。
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