都筑中央公園の指定管理者・NPO法人都筑里山倶楽部が、今年4月から公園内で養蜂を始めている。センター南駅からほど近い同園の豊かな自然の中で採取されたはちみつは、半年で約64kgほど。ミツバチの行動範囲は半径約2Kmといわれており、文字通り「都筑区産」のはちみつだ。
巣箱を管理しているのは、同倶楽部の松村邦正事務局長(68)と会員の今野傳さん(80)、福田秀一さん(73)の3人。きっかけは松村さんが中区で養蜂を行っている人から蜂群を譲り受けたこと。「子どもたちの環境教育の一環として、植物の受粉にミツバチが欠かせない事などを知るきっかけになれば」と園内で管理を行うことにした。
松村さんらは、譲り受けた巣箱の蜂群を増やすため、ミツバチが巣を作るために箱の中に置かれた板(巣礎)の数を増やしたり、新しい女王蜂が生まれて群れが分かれる(分蜂)のを防ぐために「王台」と呼ばれる女王蜂のための巣を潰したりなど、週に1回のペースで観察を行った。
スズメバチが襲来
7月ごろに群が1つ増え、現在は3つの巣箱を管理する。夏場は暑さの影響で園内に花を咲かせる植物が少なかったことなどから、はちみつの採取量は少なかったという。またスズメバチの来襲もあり、巣箱の前に無数のミツバチの死骸が見つかったことも。松村さんらは急きょ、巣箱を覆うゲージを作ったり、スズメバチを粘着シートで捕獲したりするなどの対策をとった。
「数万匹はいるのでは」(松村さん)というミツバチ。何も加えていない天然のはちみつは、季節ごとに色や味も違うという。採取したはちみつは瓶詰めし、公園内のレストハウスで販売。10月27日(日)に同園で開催される里山まつりでも販売される。
はちみつの収穫は9月で終了。今後はミツバチの越冬に備え、月に1度程度、巣箱に蓄えた越冬用の蜜の減り具合を観察。蜜の量が少ないようならば、砂糖水などを用意するなどして見守るという。
11月10日(日)には、同倶楽部のジュニアくらぶに所属する小学生を対象にした飼育体験会を開催。事前に収穫したはちみつの入った巣を遠心分離器にかけ、はちみつを絞り、食べる体験を行うという。松村さんは「イベントの回数を増やし、ミツバチの大切さを知ってもらえれば」と語った。
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