大熊町の株式会社ミカワ精機(近藤芳正代表取締役)が、パラリンピック・競泳のメダリスト・成田真由美さんの金メダル2枚を洗浄した。成田さんは輝きを取り戻したメダルを手に、「ありがとう」と涙を浮かべ感謝の言葉を述べた。
成田さんは、アトランタ(1996年)、シドニー(00年)、アテネ(04年)など、6度のパラリンピックに出場。これまでに、15個の金メダルを含む20個のメダルを獲得している。
成田さんは9月に行われた都筑消防団の研修会に講師として登壇した際、「メダルを皆さんに見て欲しいが、劣化していて見せられる状態にない」と打ち明けた。研修に参加していた近藤さんは「きれいな状態に戻せるかもしれない」と、成田さんにメダルの洗浄を提案した。成田さんは、これまでにも同様の提案を受けたことはあったが、実現には至っておらず、「すがる思いで依頼した」と話す。
メダルを預かった近藤さんは、金メッキの加工業者に相談し、メダルの素材や錆の取り方などを調査。「開催国やメダルの種類によって素材や錆び方が異なるため、洗浄方法も変わってくる。代わりの効かないものなので緊張した」と振り返る近藤さん。
洗浄が完了し、成田さんの手にメダルが戻ったのは11月6日。輝きを取り戻したメダルを見て、成田さんは「頑張って獲ったメダルがきれいな状態に戻ってうれしい」と涙を流した。
近藤さんは「講演で話している姿を見て、力になりたいと思った。無事にきれいになって良かった」と安堵の表情を浮かべた。
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