茅ケ崎南出身で北照高校(北海道小樽市)の高橋幸佑さん(17)が、プロ野球のドラフト会議で中日ドラゴンズから5位指名を受けた。高橋さんが茅ケ崎台小学校時代に所属していた少年野球チーム「茅ケ崎エンデバーズ」の関係者は、チームから初のプロ野球選手誕生に、喜びの声を上げている。
祖父からの贈り物
高橋さんが野球を始めたのは茅ケ崎台小学校1年生の夏。同じマンションに住む4年生の子から茅ケ崎エンデバーズの体験会がある、と誘われた。ちょうど同じころ、札幌の祖父からグローブが贈られ、野球への関心が高まっていたこともあり、入団した。
当時4年生までの低学年の監督を務めていた佐々木悟さんは「とにかく野球が大好き。仲の良い同級生4人組でいつも一緒にいた」と当時を振り返る。毎週末の練習も休むことなく、母の由佳さんも「家族での外出よりも野球が優先だった」と振り返った。
3年生までのティーボールを経て、4年生に進級すると投手に。長打力もあり登板しないときは一塁を守り、4番を任されることもあった。5、6年時監督の西森匡士さんは「体格は大きくなかったが、常にフルスイング。打撃も守備もレベルは平均以上だった」と高い評価だった。
運命の甲子園
高橋さんは小学6年生、中学1年生と2年続けて阪神甲子園球場に高校野球の夏の全国大会を観戦に出かけている。この時、母の故郷・北海道の代表が北照高校(南北海道代表)だった。
高校への進学を控えた中学3年の秋。高橋さんは両親に北照高校への進学希望を口にする。同校の野球部の体験会に参加。ブルペンでの投球の際には、上林弘樹監督から声をかけてもらい、決意が固まった。
15歳での単身・北海道進学。「本人がやりたいように、と思ってはいましたが、夫(代吉さん)は寂しそうでした」(由佳さん)。
同校野球部は春・夏合わせて10回の甲子園出場経験のある強豪校。野球部員はほとんどがスポーツ推薦の中、高橋さんは一般入試で合格。在学中、甲子園出場こそならなかったが、2年時からベンチ入りを果たした。
身長178cm、体重82kgと決して大きくはない体格ながら、最速148㌔のストレートを投げ込むまでに成長。同校はグラウンドが使えない冬場に約3週間の関東遠征を実施しており、横浜高校や二松学舎大付属、浦和学院などの強豪校と練習試合を行っている。そこでスカウトの目に留まり、今年4月のU18日本代表候補の強化合宿で一気に評価を上げた。
佐々木さんは「チームでは『幸佑がドラフトで指名されるかも』」と盛り上がっていたという。「ドラフト当日は気が気でなかったが、指名されてチーム関係者皆で大変喜んだ」と破顔した。西森さんは「投球フォームは当時とあまり変わっていないが、下半身が安定している。制球力や球速アップは本人の努力の賜物。一軍で活躍し、日本を代表する選手になって欲しい」と活躍を願った。
母の由佳さんは「エンデバーズで楽しく伸び伸び野球をさせてもらえたことが原点」と感謝。父・代吉さん、姉・由依奈さんと「家族全員で『チーム高橋』として支えていくので、自分らしく頑張って欲しい」とエールを送った。
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