「やっぱり、一から自分の手で作ってこそだよね」。野田さんが手掛ける模型は全て「フルスクラッチ」――既存のものは一切使用せず、全てが手作りだ。もちろん、図面も手描き。当時の図面や写真をもとに、主砲の1基、手すりの1本まで精密に再現している。特に、退職前から仕事の合間を縫い、13年かけて完成させた駆逐艦「雪風」は、(株)東急ハンズの第20回ハンズ大賞で準グランプリを受賞した大作だ。
「手作り」だから知れること
横須賀海軍で造船に携わる父に製造の話を聞いて育ち、昔から船や飛行機の模型作りが好きだった野田さん。ゼネコンに勤め、高層ビル建設の現場監督も務めた元建築士だ。30代の頃には愛車までデザイン。アルミ板を加工して、自身の手でモデルチェンジするなど、「自分で作る」ことへのこだわりは人一倍だ。
フルスクラッチの良さは「技術や歴史を理解できる」こと。実際の図面を見れば、内部の設計までよく分かる。当時最新鋭だった蛍光灯や、空調、トイレ、風呂の設備など「当時の最新技術の結晶だ」と熱い愛のこもった語りは止まらない。さらに、社内でも「模型好き」で名が通っていた野田さん。仕事で関わりがあった自衛隊関係者に誘われ、潜水艦の内部見学やヘリコプターの搭乗など、趣味を通じて貴重な出会いや経験を得た。趣味が、人生を豊かに彩っている。
完璧でなくても
ただ、趣味だけを楽しんでいるわけではない。「やるべきことは、ちゃんとやらなきゃね」と野田さん。
まずは、家での役割を果たすこと。若い頃は仕事と趣味に没頭していた野田さんだが、今は食器洗いなど家事手伝いを率先。奥さんの買い物には必ず同行し、朝食のおかずを一品作ることも。その甲斐あってか、夫婦仲は良好だ。
次に健康づくり。若草台地区センターで開かれている体操教室に、夫婦で毎週参加。散歩も定番で、桜台周辺をのんびり歩きながら、四季の移り変わりを楽しんでいる。
そして何より、常にアンテナを張ること。サークルや展示会を通して情報を集め、視野を広げている。退職をきっかけに団地内のボランティアにも参加。自身の知識や趣味を活かして活動できないかと画策している。
一人で籠らず、周囲に意識を向けることを大事にしている野田さん。一方で、「完璧にこなさなくてもいい」と話す。大切なのは、日々自身や周りとの関係を顧み、改善を重ねること。それは、趣味に関しても同じだ。「時間は一生ある。急がず焦らず、好きな時に好きなだけ。楽な心で、楽しみ続けることです」
![]() |
都筑区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|