特別救助隊員「横浜レンジャー」に女性として初めて所属しているのが、仲町台消防出張所(鈴木誠所長)に勤務する友岡杏奈さん(26)=今号人物風土記で紹介=だ。過酷な訓練や災害現場での活動を通じて、日々奮闘する友岡さんの姿を取材した。
市消防局が市内18区それぞれに配置している特別救助隊。高度な知識や技術を駆使し、火災や交通事故、地震など、あらゆる災害現場で活躍する「人命救助のスペシャリスト」だ。各区で働く隊員は現在268人。友岡さんは初の女性隊員として汗を流している。
100人中36人の精鋭
友岡さんは「災害現場で真っ先に負傷者と接触できる救助隊員になりたい」と、20歳で実家の兵庫県を離れ、消防隊発祥の地である市消防局に入局。その後、保土ケ谷や鶴見消防署などに配属され、消防隊員としてまちの消火活動などに尽力してきた。
特別救助隊員になるには、毎年実施される選抜試験での合格が必須。しかし、握力45kg、背筋150kg以上、15回の懸垂を4秒に1回のペースで行うなど、高い基準を満たさなければならず、「体力面で女性には難しいとされてきた」と市消防局担当者は語る。
友岡さんは昨年、応募者100人中、合格者36人の狭き門を突破。4回目の挑戦でようやく掴んだ救助隊員の道だった。「意地を貫き自主練をしてきた甲斐があった」と友岡さん。合格後も特別救助隊員養成科で、約20kgの荷物を背負って山を駆けずり回るなどハードな訓練を経て、今年同出張所にやってきた。
「早く一人前になりたい」
4月から約半年間、救助隊として鍛錬を積んできた友岡さん。9月17日には勝田消防訓練場で、高さ7mの壁上から体重65kgの男性隊員を腰に吊り下げてロープで降下する「吊り下げ救助」=写真上=などを繰り返し練習した。入隊後3年間は毎年受験しなければならない、救助の基礎能力を測る試験が迫っていたこともあり熱が入っていた。
友岡さんは「仲間の支えがあってここまでこられた。早く1人前になって人を助けたい」と力強く話した。鈴木所長は「どんな現場でも不撓不屈の精神で、1人でも多くの人を救助してもらえれば」と期待を込める。
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