都筑区の一部も通学区域となる市立北綱島特別支援学校(港北区)の分校化について、横浜市教育委員会は第3回市会定例会で、2019年度の分校への移行後も校長級を配置し、教育水準も現在と同等以上とすること等を示した。
現在、横浜市内には市立特別支援学校が12校あり、北綱島や上菅田などに肢体不自由特別支援学校が5校設置されている。北綱島特別支援学校が上菅田の分校に移行することを巡っては、7月に同校PTAから教育水準の維持や名称の使用等に関する11項目の請願書が提出されており、その回答内容を市教委が明らかにした。
市教委によると、北綱島分校には通常の副校長級ではなく校長級をあて、職名を准校長、校長代理または分校長とする方向で検討するほか、教職員やスクールバス、看護師等を現在と同じ教育水準か、それ以上とする。分校としての学校体制に変更がある場合には、保護者と合意に向け協議する。
また、分校の通学区域は港北区、鶴見区、都筑区、神奈川区それぞれの一定地域を基本とし、入学にあたっては就学相談を丁寧に行う。
条例上の「北綱島分校」の名称使用は必要最低限にとどめ、通常は従来通り「北綱島特別支援学校」を使用する。教職員に対しては定期健康診断やストレスチェック等を行い、北綱島分校の学校運営に支障のないよう市教委として支援するなどとした。
当初計画は「閉校」
分校化を巡っては、市教委は2015年9月、上菅田特別支援学校の過大規模化の解消策として、2019年度に左近山特別支援学校(旭区)を新設し、敷地の狭隘化等の理由で北綱島特別支援学校を閉校する計画を示した。その後、保護者側からの閉校撤回を求める声等に対し、期限付き分教室や期限なしの分教室としての対応を検討していたが、今年2月、分校化への移行についての条例改正が市会定例会で議決された経緯がある。
現在、市内には市立の肢体不自由特別支援学校が北綱島を含めて5校あり、分校は存在しない。
横浜市教育委員会事務局、指導部特別支援教育課の須山次郎課長によると、取り組みを評価する声がある一方、「教育水準を維持するのであれば、元の学校に戻してほしい」といった要望が寄せられているという。
須山課長は今後について「北綱島特別支援学校に在籍している児童生徒の皆さんが安心して安全に通学でき、充実した学校生活を送れるよう取り組んでいく」とし、同校の小林靖校長は「皆様のご支援で次年度も学校として存続できる。一層の教育の充実に取り組みたい」とコメントした。
今後に不安の声も
同校PTAの山本直子会長は「(請願に対する)回答内容が公になったのはありがたいこと。そして分校になっても体制は変わらない」と安堵の様子をみせる反面、「実際に不都合があるかは分校後でないと分からない」と不安も口にしていた。
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