川和町の横浜市認定歴史建造物「中山恒三郎(つねさぶろう)家」が11月26日・27日に一般公開される。江戸時代に栄えた豪商の暮らしを通じて、川和町の歴史と文化遺産を学ぶことができる機会となりそうだ。
中山恒三郎家は江戸時代から川和町で酒類の販売のほか、荒物雑貨や呉服織物を扱う商売を手掛け、栄えてきたという。明治時代には醤油の醸造、煙草や塩の販売も行い、製糸業などの家業を広げてきた歴史がある。
商売の一方で菊栽培にも力を注ぎ、明治時代末には1500種の菊を栽培したとして伝えられている。自宅に菊園「松林圃(しょうりんぼ)」を作り、観菊会を開いては皇族や各界の著名人からも大きな注目を集め、海外からも多くの人が訪れたという。
今回公開されるのは、2018年に横浜市認定歴史建造物に認定された「書院」と「店蔵」。諸味蔵と麹室、八号蔵も見ることができる。書院の展示では、観菊の賓客によって揮毫された書画を川和の歴史を伝える資料とともに紹介する。諸味蔵では民俗資料と整理作業の様子を公開する。
6代目当主の中山健さんは「市や近隣の方の協力で保存できるようになった。単に残すだけでなく、見ていただき残して良かったと思ってもらえるようにしたい。川和のことを知ってもらい、地域への愛着につながるといい」と話す。
11月26日(土)の一般公開は正午から午後3時まで。27日(日)は午前10時から午後3時まで。見学は無料。会場の中山恒三郎家の所在地は都筑区川和町890(市営地下鉄川和町駅徒歩10分/川和団地下バス停徒歩2分)。駐車場がないため、公共交通機関の利用を。問い合わせは横浜市歴史博物館(【電話】045・912・7777)。
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